朝から集中するには「手を動かす」仕事がいい理由 「ラクしたい」人間の本能と上手に付き合うには

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2つめは、「何度も連続で投稿しない」こと。 チャットは、会話に近い形で、短いメッセージを素早く投稿できる点が特徴です。ただ、きちんと整理をしてから投稿しないと、連続で投稿することになり、メンバーの時間を奪う原因となります。「報告・連絡・相談のどれに該当する内容か?」「自分がもっとも伝えたいことは何か?」――。 この2つを整理してから投稿することが大切です。

連続投稿を防ぐためにも、メンバー間で文章作成のルールを共有しておきましょう。 たとえば、チャットの冒頭には「報告・連絡・相談のどれに該当するのか?」を明らかにし、【 】でくくる(例【相談】)ことをおすすめします。そのうえで、相手に最も伝えたい内容を書くようにするのです。これは箇条書きでもかまいません。

3つ目の「ない」は?

3つめは、「個人的な感情を入れない」こと。 チャットでは「事実のみを記載する」をルールにしましょう。余計なことを書くと、伝えたいことが、伝わりづらくなるからです。

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やりがちなのは”無意識の言い訳”です。「一生懸命粘ったが、成約に至らなかった」場合。報告者の胸中には「努力は認めてほしい」という思いが生じるため、「一生懸命粘ったものの……」といった表現を盛り込みたくなってしまうのです。

気持ちはわかりますが、この余計な表現があると、「成約できたのか否か?」という最も伝えたい情報が伝わりづらくなってしまいます。ですから、チャットでは「事実のみを記載する」というルールを守りましょう。

このような3つの「ない」を徹底したうえで、さらにおすすめしたいのは、「チャットから電話に切り替える際のルール」をあらかじめ設けておくことです。 これまでの経験上、作成に100字以上費やす内容の場合、チャットではなく電話で伝えたほうがスムーズかつ正確だと私は感じています。 チームで話し合い、最適なルールをつくってみてください。

まとめ チャットでは、3つの「ない」を徹底しよう。
冨山 真由 一般社団法人行動科学マネジメント研究所コンサルタント

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とみやま まゆ / Mayu Tomiyama

一般社団法人行動科学マネジメント研究所コンサルタント。株式会社ウィルPMインターナショナル行動科学マネジメント上席インストラクター。行動習慣コンサルタント(R)、行動定着コーチ(R)。

大学卒業後、教育医療機関を経て組織開発コンサルティングファームに就職し、戦略人事と法人営業の統括マネージャーを従事。現在、行動科学マネジメントを専門に公認上席インストラクターとして、企業にて管理職から若手社員まで幅広い層と職種を対象に、マネジメント研修に登壇をしている。企業社数は500社以上、受講者数は3万5千人以上。著書に、『シャキッ!つい怠ける自分を「科学的に」動かす方法』(すばる舎)などがある。

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