尾木:日本では、悪質なサイトに入って行くとか、詐欺に遭うとか、炎上したりとか。いろいろな心配がされますよね。実際、そうした危険はつねにあるけれども、それでも、どう積極的に活用するかを考えたほうがいいと思うんですね。日本は「守ろう、守ろう」と何でもしますけど、攻めの中でどういうふうに排除していくのかが大事だと思うのです。
上司に話しかけない、若手社員たち
原田:今回、多くのビジネスマンがこれを読んでくださると思うのですが、特にここ数年、若者に違和感を感じるという声が多い気がするんです。
尾木:多いですね。ここ3~4年が極端に多いと思います。
原田:そういう方たちに、どう若者と接したらいいかというアドバイスはありますか。
尾木:あのね、悩みや苦情でいちばん多いのが、上の世代には話しかけないで、若者だけで盛り上がっているっていう話。
ある新聞社の新年会での話。新入社員に自己紹介をさせたら、うまいし、仲間内の盛り上がりもすごくうまいと。で、能力も豊かだと。だけども、上の人には誰も話しかけてこなかったって言うんですよ。せっかくトップの役員がいるのに、誰も話しかけてこない。こんなことは、今までなかったと。
原田:友達同士で固まっているんですね。
尾木:ある会社の方も、そうとう悩んでおられました。入社式の当日の夕方に、新人が2人辞めたって言うんですよ。で、理由を聞いてみると、仕事がきついからとかいった理由じゃなくて、2人とも「私のこと構ってくれない、放っておかれる」というのが辞めた理由なんだそうです。
聞いてみると、「ここがあなたの机で、ちょっとこの辺の整理を手伝ってくれる?」とか言っておいたんですって。それで整理が終わって待ってるのに、誰も何も指示を出してくれない、放っておかれた、と。それで、辞めたと。
でもやっぱりね、そこで古い世代があきらめちゃダメですね。どうしてなんだろうと思って、もうちょっと育ちの状況とか背景が見えてくれば、どう対応しようかって見えるはずなんですよ。
LINEの会話に驚愕したという話をしましたが、その背景がわからなければ、「変な子たち、失礼だよな今の学生は」で終わっちゃうんですよ。だから、やっぱりね、そこで密着をして、一緒にいる時間と場所を確保するという努力がすごく必要だと思いますね。
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