元アイドル作家「ギャラ交渉、赤裸々に話します」

大木亜希子×遠藤舞「仕事とファンの増やし方」

大木:今、遠藤さんがおっしゃったこととも重なると思うんですけど、私たちがいた芸能界という場所は「人にお土産を渡して帰ることが大事な世界」だったなと思っていて。遠藤さんは著書の中で、受かると思っていなかったのに合格したオーディションの話を書かれていましたよね。

遠藤:それぞれ同じお芝居を2回させられて、苦手だったから同じようにできなかったら「ひとりだけ芝居を変えてきた」と言われて受かったやつですね(笑)。

大木亜希子(おおき・あきこ)/フリーライター、女優・タレント。2005年、ドラマ『野ブタ。をプロデュース』で女優デビュー。数々のドラマ・映画に出演後、2010年、秋元康氏プロデュースSDN48として活動開始。その後、タレント活動と並行しライター業を開始。Webの取材記事をメインに活動し、2015年、NEWSY(しらべぇ編集部)に入社。2018年、フリーライターとして独立。著書に『アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア』(宝島社)、『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(祥伝社)(撮影:尾形文繁)

大木:私も星の数ほど、たぶん1500~2000回ぐらいは受けてるんですけど、勝率で言うと0.1%くらいだったんです。でも、そこでお土産を渡して覚えてもらうと、まったく別の仕事につながることが多々あって。

他にも、10代の頃に宮崎美子さんからプレゼントをもらって、それに私がお礼をしたら、さらにそのお返しをもらった……ということがありました。今でも覚えているんですけど、めちゃくちゃ美味しい桃饅頭。当時、私はまだ10代だったんですけど、「芸能界って底がないほど礼儀正しい人たちの集まりなんだな」って思って。そうやって、人を大切にすることを学びました。

遠藤:大事ですよね。

大木:オーディションにおけるお土産は『印象』って言うニュアンスですけど、すでに付き合いのある方にはちょっとしたプレゼントを渡すこともあります。今はコロナ禍だからLINEでスタバカードを500円分贈るくらいなんですけど、それでも今でも人の誕生日はスケジュールに絶対メモしています。ちょっと計算高く見えるかもしれないですけど(笑)。

遠藤:いえ、そんなことはないですよ。

SNS発信のコツは?

大木:遠藤さんは現在、アイドル専門のボイストレーナーをされていますが、お仕事量はどんな感じで増えていったんですか?

遠藤:生徒さんの増え方をグラフにすると、おそらく緩やかな増加だと思います。コロナ禍に入ってからちょっと落ち込んだり、ご時世的にも右肩上がりというわけでは決してないんですけど。

大木:どういう経路で遠藤さんに依頼されるんでしょう。

遠藤:私もそれを知りたいので、最近ご新規さんに聞くようにしているんです。お付き合いがあるわけじゃない、まったく私の知らない事務所から来ることもあって。そうしたらやっぱり口コミが多いんです。私が教える生徒さんの事務所って大手よりは中小が多いんですけど、そういうところって意外と横のつながりがあるんですよね。

大木:遠藤さんは書籍の中で、ご自身の仕事観を「地道にしてきたことを薄く綿棒で伸ばす」と例えられていますよね。それを思い出しました。

遠藤:時間が経過すればするほど、私のことを知っている人が増えていって、どんどん指数関数的に増えていくんです。なので今は実績を積むことがいちばんだなと考えています。時間の経過というものが、自分のキャリア形成の味方になればいいなと思っているので。

大木:素敵な言葉ですね。

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