一方、CX-30の価格(税込)は、e-SKYACTIV X搭載車が329万4500円~371万3600円、2.0LガソリンのSKYACTIV-G 2.0搭載車が239万2500円~303万500円、1.8ディーゼルのSKYACTIV-D 1.8搭載車が288万7500円~330万5500円だ。
CX-30は、CX-5やCX-8、CX-3、MX-30といったマツダSUVラインナップ中で、2020年にもっとも売れたモデルといえる。年間(1~12月)新車販売台数ランキングで27位(2万7006台)となり、コンパクトハッチバック車「マツダ2」の25位(2万8368台)に次ぐ売り上げを記録した。
だが、2021年に入ると1月21位(2584台)、2月31位(2017台)、3月27位(3895台)、4月40位(923台)と大きく後退している。これはヴェゼルが発売された影響なのかは定かではない。6月には1376台で28位へ再浮上し復活の兆しはあるし、販売店によっては、ヴェゼルと比較してCX-30を購入する顧客もいるという。
納車の早さではCX-30が有利
あるマツダ販売店によれば、「CX-30は受注から3カ月程度で納車できることもあり、元々ホンダ車に乗っているお客様が、ヴェゼルと比較したうえでご成約いただくケースもあります」という。その販売店では、現在、CX-30でもっとも売れているのは2.0Lガソリン車「20S」で、中でも最上級グレード「Lパッケージ」に人気が集まっているそうだ。
主な理由は、「価格がリーズナブルな点と、(Lパッケージに)設定されているホワイトのスムースレザーシートの高級感が高い」こと。確かにハイブリッド車にこだわらなければ、内装などの高い質感を持つモデルを比較的安価に購入できるメリットは、ユーザーにとっても大きいだろう。
上記はあくまで一例だが、新型ヴェゼルは発売当初から高い人気を誇りつつも、納期の問題がネックになる可能性はある。ユーザーの購買熱が冷めてしまい、他社の競合モデルに流れるからだ。
そう考えると、ここのところ売り上げで苦戦しているCX-30だが、まだまだ挽回の余地はあるだろう。先述のように、6速MT仕様などマツダならではのラインナップを持つことは、CX-30の大きな強みだ。また、内装など装備の充実度は高く、商品性では決してライバルに負けてはいない。
トヨタでも5月18日に部品不足により、国内工場における6月の生産調整を発表。コンパクトSUVでは「ヤリスクロス」が計8日間の生産停止となった。トヨタ販売店によれば、「(4月末のオーダーで)納期が半年以上」だったうえに、急な生産停止となれば納期がさらに遅れる可能性も高い。コンパクトSUV市場における熾烈なシェア争いは、まだまだ続きそうだ。
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