ヴェゼル対CX-30、人気コンパクトSUV直接対決! ホンダの新型か、熟成したマツダどちらを選ぶ

✎ 1〜 ✎ 63 ✎ 64 ✎ 65 ✎ 最新
拡大
縮小
CX-30のサイドスタイル(写真:マツダ)

一方、CX-30の価格(税込)は、e-SKYACTIV X搭載車が329万4500円~371万3600円、2.0LガソリンのSKYACTIV-G 2.0搭載車が239万2500円~303万500円、1.8ディーゼルのSKYACTIV-D 1.8搭載車が288万7500円~330万5500円だ。

CX-30は、CX-5やCX-8、CX-3、MX-30といったマツダSUVラインナップ中で、2020年にもっとも売れたモデルといえる。年間(1~12月)新車販売台数ランキングで27位(2万7006台)となり、コンパクトハッチバック車「マツダ2」の25位(2万8368台)に次ぐ売り上げを記録した。

だが、2021年に入ると1月21位(2584台)、2月31位(2017台)、3月27位(3895台)、4月40位(923台)と大きく後退している。これはヴェゼルが発売された影響なのかは定かではない。6月には1376台で28位へ再浮上し復活の兆しはあるし、販売店によっては、ヴェゼルと比較してCX-30を購入する顧客もいるという。

納車の早さではCX-30が有利

CX-30のスタイリング(写真:マツダ)

あるマツダ販売店によれば、「CX-30は受注から3カ月程度で納車できることもあり、元々ホンダ車に乗っているお客様が、ヴェゼルと比較したうえでご成約いただくケースもあります」という。その販売店では、現在、CX-30でもっとも売れているのは2.0Lガソリン車「20S」で、中でも最上級グレード「Lパッケージ」に人気が集まっているそうだ。

主な理由は、「価格がリーズナブルな点と、(Lパッケージに)設定されているホワイトのスムースレザーシートの高級感が高い」こと。確かにハイブリッド車にこだわらなければ、内装などの高い質感を持つモデルを比較的安価に購入できるメリットは、ユーザーにとっても大きいだろう。

上記はあくまで一例だが、新型ヴェゼルは発売当初から高い人気を誇りつつも、納期の問題がネックになる可能性はある。ユーザーの購買熱が冷めてしまい、他社の競合モデルに流れるからだ。

そう考えると、ここのところ売り上げで苦戦しているCX-30だが、まだまだ挽回の余地はあるだろう。先述のように、6速MT仕様などマツダならではのラインナップを持つことは、CX-30の大きな強みだ。また、内装など装備の充実度は高く、商品性では決してライバルに負けてはいない。

トヨタでも5月18日に部品不足により、国内工場における6月の生産調整を発表。コンパクトSUVでは「ヤリスクロス」が計8日間の生産停止となった。トヨタ販売店によれば、「(4月末のオーダーで)納期が半年以上」だったうえに、急な生産停止となれば納期がさらに遅れる可能性も高い。コンパクトSUV市場における熾烈なシェア争いは、まだまだ続きそうだ。

この記事の画像を見る(16枚)
平塚 直樹 ライター&エディター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT