ららぽーたーに漂う「セレブ臭」のナゾ

イケアをハコ呼びするデベロッパー系の底力

お客様の買い回りを考えた土地の活用

さて、千葉でのイオンモールとの対決はららぽーとが牙城を守ったカタチだが、埼玉での対決は逆に、2008年に開業した国内最大規模のイオンレイクタウンに対し、2009年にららぽーと新三郷を開業して攻め込んだ格好だ。

「大きさでは勝てないので、イケア、コストコというメガストア系の専門性の高い店舗にお声かけして来ていただき、お客様の買い回りを考えた土地の活用をしました。開業3年後には駅前の土地に別館を建てて、フォーエバー21に入っていただいた」と青柳さんは戦術を語る。

ららぽーとのDNAは、ファッション以前に不動産業であった。もともと新三郷駅周辺はJRの操車場跡地。三井不動産をはじめとする複数の事業主により、大規模な複合開発が行われた。だから、同社主導で3つの専門店と連携し、呼ぶことができたのである。そのうえ、周辺に戸建てを270戸、14階建てのマンションを建設した。ディベロッパー系モールの底力だ。

ららぽーとの周りに街ができるのではない。街ごと開発してその中にららぽーとを作るのだ。ららぽーと豊洲、ららぽーと横浜、ららぽーと柏の葉も、住宅と一緒に開発している。

ららぽーと豊洲と湾岸

当然、周辺の人口が増える。特に、2006年10月に開業したららぽーと豊洲周辺は顕著で、江東区豊洲の総人口は、開業前の1万3021人(2006年1月1日)から2万9017人(2014年1月1日現在)と2.2倍に増加した(江東区のデータ)。豊洲のタワーマンションに住む裕福な主婦「キャナリーゼ」も現れた(周囲が「運河=キャナル」であることが語源)。

三井不動産のタワーマンション「パークシティ豊洲」は、ららぽーとにつながる住人専用の地下通路を設けているという。雨の日も風の日も優雅にお買い物。「キャナリーゼ×ららぽーたー」はセレブっぽさを漂わせている。

ブランド作りと街作りが得意な三井不動産。東京大学柏キャンパスや千葉大学がある柏の葉に、その「知」を生かした「柏の葉スマートシティ構想」を立ち上げ、「健康長寿、環境共生、新産業創造の実現を目指す街づくり事業」を進めている。その一環として、2014年4月、ららぽーと柏の葉の北館に、イノベーションラボ「KOIL」をオープンした。

ショッピングモールがある街の未来やいかに。ただ今、トライアル&進化中だ。

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