経年劣化ではなく、経年優化
しかし、34年の年月のせいか、古さを感じさせる設計や設備もある。ららぽーとを開発・運営する三井不動産の商業施設運用部長、青柳雄久さんはこう話す。
「商業施設は、出来上がったときが最も話題性があり、後は経年劣化すると言われがちですが、私たちが力を入れているのは“経年優化”。年が経つほど魅力あるものにリニューアルしていっています。34年も経つと、小さい頃にご両親に連れられてやってきたお客様が、今度はお子様を連れて、おじいちゃん、おばあちゃんとやってくるといったことが今、起きています」
親子3代を引きつけ、飽きさせない大きな理由のひとつは、やはり変化し続けるファッションブランドにある。「共通する特徴は、高感度で、かつラグジュアリーではない、お求めやすい価格のブランド」(青柳さん)。
まず1980年代後半に、コムサデモードなどの「都市型DCブランド」を入れたのは始まりだ。
2000年には、セレクトショップのユナイテッドアローズによるグリーンレーベルリラクシング、アフタヌーンティー、アニエスベーといった「平成ブランド」を入れ、「ファッション感度をぐっと上げた。郊外型モールとしては特筆すべき出来事」(青柳さん)。
2000年以降、さらに高感度なブランドを誘致すべく、国内セレクトショップのビームス系、シップス系のブランド、海外のファストファッション系であるZARA、H&M、フォーエバー21、アルマーニ・エクスチェンジを誘致。直近では、ZARAの姉妹ブランドであるストラディバリウスを入れた。
郊外型モールとしては外資系のファストファッションを早くから出店したので、海外のブランドから「1号店を出店したい」との申し出が多い。国内でも、試験的な1号店の出店先として、ららぽーとTOKYO-BAYを指名されるという。
最近、服から生活雑貨までをそろえ、ライフスタイルを提案する新業態が増えており、ZARAホーム、シップスデイズ、ニコアンド、スタジオクリップ、ベイフローを入れた。ニコアンド、スタジオクリップ、ベイフローは、特集2日目の記事で紹介したアダストリアホールディングスのブランドだ。
シップスデイズの1号店は、ららぽーとTOKYO-BAYにある。シップスの商品部課長、長瀬雄一さんはここで始めた理由について、「都心感度が高く、商圏が広く、幅広い客層に支持されているので、トライアルするには最適」と説明する。
こうして、ららぽーとTOKYO-BAYは、つねに鮮度の高いショッピングモールであり続けているのだ。
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