旭硝子・トステムが団結、省エネ「窓」産業の夜明け

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 日本でも新築住宅では省エネ化が進み、複層ガラスやLOW-Eガラスの採用が進んでいる。実際に、大手ハウスメーカーでは新築住宅の80%でLOW-Eガラスが採用されているという。工務店やビルダー(分譲住宅業者)も、ハウスメーカーに倣って、複層ガラスやLOW-Eガラスの採用を進めている。「新築住宅の60%は、住宅エコポイントが基準とする平成11年省エネ基準を実現している印象がある」と、日本板硝子ビルディングプロダクツ営業本部の井澤尚氏は語る。

ところが、既存住宅の大半はアルミサッシと厚さ3ミリの一枚ガラス板による窓になっている。アルミも一枚ガラス板も熱を伝えやすい。既存住宅の省エネ性能は低く、冷暖房に多くのエネルギーを要する。

当然、温室効果ガスの排出量も多い。環境省の推定(07年度)では日本の温室効果ガスの約14%が住宅から排出されたもの。住宅以外のオフィスビル、店舗など業務用建物からの排出量も15%を占める。省エネ余地の大きい二つの部門で窓の省エネ化を進めることが、地球温暖化対策の決め手になるのだ。

窓の省エネ化二つ目の方法は、既存の窓に新たに内窓を設置する方法である。北海道など寒冷地の既存住宅に多い二重窓がそれだ。窓の開閉に手間がかかるという弱点はあるが、省エネだけではなく、防音効果も高めることができる。

3番目が、既存住宅のサッシを丸ごと交換する外窓交換だ。大掛かりな工事を要する弱点はあるが、ガラスのほか、サッシ自体を省エネ性能の高いアルミ・樹脂複合サッシなどに交換することで、飛躍的に省エネ性能を高められる利点がある。

先行するYKK AP 三協立山は「当面静観」

リーマンショック後の不況で09年度の新築住宅着工件数は77・5万戸に終わり、あっさり100万戸の大台を割り込んだ。新築着工が激減する中で、ガラス、サッシ業界とも新築依存を是正し、リフォーム需要の掘り起こしに躍起になっている。「新築住宅は80万戸だが、潜在的なリフォームを必要とする既存住宅は4700万戸ある。とても手が回らない」(トステム)と、規模の大きさに戸惑いぎみだ。

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