旭硝子・トステムが団結、省エネ「窓」産業の夜明け
実はガラス、サッシ業界とも住宅エコポイントが創設される以前から、窓のリフォームに特化したビジネスモデル構築を模索していた。サッシ国内2位のYKK AP(以下、YKK)がその先駆け的な存在だ。
YKKはLOW-Eガラスの生産も手掛け、大手の一角に入る生産量を持つ。YKKの特色は製品を生産する機械まで自社で作るという自前主義。05年度から「窓メーカーへの転換」を標榜し、サッシとLOW-ガラスを内製して、外窓交換で新工法を生み出すなど、独自の展開を目指している。
サッシ3位の三協立山アルミは、当面は静観の姿勢を貫く考えだ。「品質保証や手間などを考えると、儲かるという判断がなかった。付属品が付くので、物流の効率が悪くなるという側面もある」(平尾隆・住宅建材本部長)からだ。ただその一方で、「大きな流れとしては、メーカーで完成品に近い状態まで仕上げて出荷するというビジネスになっていくだろう」と、覚悟もにじませる。
いみじくもエコポイント導入が導火線に火をつけることになった、窓ビジネスの変容。その先に、いかなる日本の住宅の未来図が広がるのか。これからのガラス、サッシ各社の戦略に注目が集まる。
(内田通夫、猪澤顕明 撮影:風間仁一郎、山内信也 =週刊東洋経済2010年5月29日号)
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