「中学受験で心がズタズタ」親にできる3つのこと 親が"暴走"したのなら、率直に詫びた方がいい

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(2)勉強に関しては、本人の意思に任せ、親は子どもが勉強することを期待しない

小浜さんの場合、まだ、勉強について心配し続けているようです。これも、親として気持ちはわからなくはありませんが、今後の心配をする前に、目の前にいる子どもの心の状態を最優先することを考えてみます。

なぜなら、まだ子どもの心がリカバリーされていない段階で、親が勉強の心配をすると、何かしらの言動として形に表れ、子どもにそのメッセージを伝えてしまうからです。そうなると今後、同じことをまた繰り返さないとも限りません。

それよりも、子どもの自己肯定感を上げる言葉を折に触れて使うことをおすすめします。但し、これは子どもに媚を売ることとは異なります。子どものご機嫌を取るのではなく、あくまでも日常生活の中に、肯定的な発言を入れていく程度でお考えください。

胸襟を開いたコミュニケーションが信頼関係を作る

(3)家族で活動する時間を増やしていく

「体験の共有化」により共通言語を増やしていくことで信頼関係を構築します。学習への前向きな気持ちは、この段階を経てからになるでしょう。

おそらく、今回の一件を通じて、子どもとの信頼関係が希薄になった可能性があります。ですから、その信頼関係を取り戻していくことが大切になります。

そのためには、コミュニケーションの頻度を上げ、できれば共通の体験を持つことも1つの方法です。コミュニケーションについては、勉強のこと、学校のことではなく、まったくそれらと関係がない「雑談」を増やすことです。雑談であれば、お互いの関係性に“上下”がなくなります。フラットな関係の会話ができると、胸襟を開いたコミュニケーションができます。これが信頼関係を作る第一歩となります。

以上、3つの手順についてお伝えしました。これらのことは人間関係全般において言えることかもしれませんが、とくに親子という身近な関係では、それができない場合が少なくありません。とくに「謝る」という行為は、簡単なようでいて実に難しいことです。しかしお互い親子であると同時に、人格や尊厳を持つ人間どうしであると捉えることで、間違ったときは「謝る」ことはできると考えています。

今回の件を通じて「家族にとって本当に大切なことは何か」を考える機会になれば幸いです。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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