「中学受験で心がズタズタ」親にできる3つのこと 親が"暴走"したのなら、率直に詫びた方がいい

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一方、親の気持ちも理解できなくはありません。わが子のことになると自分の言動を客観視できなくなることはよくあることです。しかし、小浜さんのケースのように親として不適切な対応をして、子どもの心を深く傷つけてしまったと感じたときは、一刻も早いリカバリーが必要であると考えます。

そのために次の3つの手順で進めていくことをお勧めします。

子どもの心を傷つけてしまったときのリカバリー方法

(1)謝る

子どもも人格を持つ1人の人間です。子どもはまだ経験が少ないため、知らないことが多く、大人はさまざまなことを教えてあげる必要がありますが、子どもの心の状態を無視し、親のエゴを貫くことがよいとは思えません。しかし、親も1人の人間。間違ったことをすることもあります。そのときは、すぐに謝ります。

筆者も自分の子どもの心を傷つけてしまったことがあります。息子がまだ5歳の頃、子どもと一緒にお風呂に入っていて、冗談のつもりで言った子どもへの不適切な言葉で、子どもが泣いてしまったのです。瞬間的に全力で謝りました。

「ごめん! 今のはお父さんが完全に悪かった。そんな言葉を使ったお父さんが悪い。本当に申し訳ない」と平謝りしました。その後、落ち着いて元に戻ったので安堵しましたが、たとえ冗談であっても、不適切な言葉を子どもに使うべきではないと反省したものです。

親になると、親の威厳やプライドを維持するために、自分の過ちを認めず、理屈の通らない言い訳をしたり、そのまま放置したりすることがあるかもしれません。

しかし、子どもにも人間としての尊厳があります。ですから、間違ったことをしてしまったときは、感じたその瞬間に謝ります。

親が謝ると、子どもが調子に乗って、親を見下すのではないかと懸念を持つ方がいるかもしれませんが、筆者は、逆に信頼感が増すと考えています。なぜなら、心を込めて真剣に謝った人に対して見下すほど、子どものレベルは低くないと信じているからです。

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