ミスターミニット、29歳落下傘社長の現場魂 トップダウンの理念より、現場からのアクション

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現場とのコミュニケーションはアクションで

今回の例は、「モノがあふれた時代のモノの売り方」を生み出すプロセスとして、とても参考になるものだと思います。会社の新しいプロジェクトを生み出すプロセスとして、「理念」や「ビジネスモデル」「戦略」「競合分析」などから考えるトップダウン型もあるでしょう。

しかし、私たちの目の前にある現場に、まだ発掘されていないビジネスの種が埋もれているのも事実なのです。現場とのコミュニケーションを通して、現場に埋もれている可能性を的確に判断し、スピードを持ってアクションしていくことが、マネジメント層に求められていると言えます。

また、「理念」や「戦略」も、結局はアクションを伴って初めて意味をなすものですが、その担い手はほかでもなく、現場です。現場との密なコミュニケーションと信頼関係ができていなければ、結局は実行の段階で頓挫してしまいます。そう考えると、現場との共同作業で生まれたビジネスアクションが会社内にいくつあるかは、非常に重要な指標と言えるでしょう。

「モノがあふれた時代のモノの売り方」を考えるとき、「現場」というキーワードは外せないのです。

山崎 大祐 マザーハウス 副社長

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やまざき だいすけ / Daisuke Yamazaki

1980年東京生まれ。高校時代は物理学者を目指していたが、幼少期の記者への夢を捨てられず、1999年、慶応義塾大学総合政策学部に進学。大学在学中にベトナムでストリートチルドレンのドキュメンタリーを撮影したことをきっかけに、途上国の貧困・開発問題に興味を持ち始める。2003年、大学卒業後、 ゴールドマン・サックス証券に入社。エコノミストとして、日本及びアジア経済の分析・調査・研究や各投資家への金融商品の提案を行う。2007年3月、同社を退社。株式会社マザーハウスの経営への参画を決意し、同年7月に副社長に就任。副社長として、マーケティング・生産の両サイドを管理。1年の半分は途上国を中心に海外を飛び回っている。

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