年収5倍も「厚切りジェイソン」語る給与交渉テク ポイントはスキルを証明する「エビデンス」
――すごい、それはどう交渉したんですか?
先ほどお話したとおり、エビデンスを集めて提示したんです。
あと、僕の場合は新卒で入った会社で、「大学院で3年間修士号の勉強をしながら、社内のいろいろなプロジェクトを経験できる」というコースがあったので、そこに入って自分の価値を上げにいきました。
――価値を上げる?
そう。給与は当然、自分の価値に合った金額になりますから。今以上の給与が欲しければ、自分の価値を上げるしかありません。何もないのに「給与を上げてくれ」なんて言っても、会社側がWhy?だからね。
ちなみに、僕の同期もみんな同じ考えだったので、そのコースが終わったら全員が会社を辞めてしまったんですよ。自分の価値が上がったのに、会社がその価値に見合った給与を与えなかったから。
結局、会社側も「社員を育てても、価値を上げたら転職してしまう」ということに気づいて、そのコースは廃止になりました(笑)
スキルをエビデンスで伝えるコツ
――社員も会社をシビアに評価しているわけですね。
はい。自分の価値は社歴だけでは決まりませんからね。なぜなら、会社の利益に貢献するスキルや経験は、それらを取得するのにかけた年数とはまったく関係ないから。
繰り返しになりますが、会社から評価されるスキルには、エビデンスが必要不可欠です。
いくら「10年間プログラミングをしてきました」と言っても、ベーシックなスキルしかなくて、何も成果物がなければ、それはエビデンスにはなりません。
――スキルをエビデンスで伝えるコツは?
例えば、「子どもの頃からプログラミングが好きだ」というエンジニアなら、実際に「何をどのくらい作ってきたのか」「どれくらいの時間で、何をすることができるのか」、数字などデータを用いて客観的な事実を言語化すること。
また、エンジニアであれば、実際の成果物を見せればいいですね。スキルを判断してもらえる成果物は、何よりのエビデンスになります。
――年数ではないエビデンスづくり、意識していきたいです。
年数は少なくても、企業が必要とするスキルを満たすものがあればそれでいいわけです。「こういうものが作れるので、御社にとって自分は必要な人材です」と強く言える人は、給与交渉もうまくできるでしょうね。