年収5倍も「厚切りジェイソン」語る給与交渉テク ポイントはスキルを証明する「エビデンス」
――面接官を相手にすると、それが難しいんですよね……。
まあ、いきなり転職じゃなくても、社内で交渉することから始めてもいいのでは?
新しい仕事を任せてほしいとか、マネジメントに挑戦してみたいとか。上司に掛け合うときにも、エビデンスを意識して交渉するんです。
そうやって希望とエビデンスをセットで伝えておくことで、社内でポジションをアップさせたり、いいプロジェクトに引っ張られたりすることは日本企業でもあると思います。
その結果、いい経験ができますし、自分の意思で選んだキャリアですから、「納得できる働き方」にもつながると思います。
――言い方がうまければいい、というものではないということですね。あくまで大事なのは、ポジションや給与を上げさせるだけのエビデンス。
そうそう。どれだけ交渉力があってもダメ。
でもね、僕からすると、日本のエンジニアの皆さんは、いっぱいいいエビデンスを持ってるのに、それを交渉材料として生かしきれていないように感じます。
我慢しながら働いてたら、皆さん自身も会社も、何も変わらないからダメですよ。今まで我慢してきた人は、一生我慢して働き続けることになってしまう。
どうすれば今の状況を自分で面白くできるのか、楽しくできるのかは、給与のことに限らず、考え続けないとね。
結局は自分が納得しているかどうか
――ちなみに、やりがいがあっても給与が低い仕事というのとあると思うのですが、そういう仕事はすべきではない?
給与は高いほうがいいけど、それがいちばんかというと、そんなことはないと思いますよ。
結局は、自分の納得感。自分が満足できる環境で働ければ、給与が高い低いはどっちでもいいんじゃないかな。
例えば、自分が成長できる環境があると思えるなら、その見返りは給与だけじゃないですよね。自分で今は自己成長を最も大事にしたいと思うならそれでいい。
僕は何度か転職をしていますけど、あえて給料の下がる転職をしたこともありますよ。それは、そこにいるからこそ身に付くものがあったからです。
――自分が納得しているかどうか。給与交渉以前の問題ですね。
給与を上げたい人は、社内で交渉するなり、転職するなり自分の意思で動くといいし、給与よりも大事なものがあると思うなら、それを満たせる働き方や職場を選べばいい。
まずは、自分の意思と自分の市場価値をしっかり認識することからです。
「周囲の人がそうだから私も」と思わずに、ちゃんと自分と向き合ってみましょうよってことです。
(取材・文/石川香苗子 撮影/竹井俊晴 編集/大室倫子)
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