中国のサービス業が息の長い回復を続けている。6月3日に発表された5月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は55.1を記録。前月(56.3)より1.2ポイント低下したものの、水準そのものは依然として高く、好不況の判断の目安とされる50を13カ月連続で上回った。
サービス業の5月の需要と供給は、拡大の勢いこそ前月より幾分低下したものの、指標は「好況」の範疇を維持している。事業活動の拡大を牽引したのは需要の持続的増加だ。調査対象企業によれば、中国が新型コロナウイルスの流行を効果的に封じ込めていることや、新しいサービスの投入が増えていることなどが追い風になっている。
一方、海外では多くの国で新型コロナの流行が再拡大しており、中国のサービス業の外需は弱含みに転じている。サービス輸出の5月の新規受注指数は前月の拡大基調から縮小基調に逆戻りした。
海外のコロナ再拡大に不安の声も
とはいえ、中国国内の堅調な需給はサービス業の雇用を着実に押し上げている。サービス業の5月の雇用指数は前月比では若干低下したものの、拡大基調と縮小基調のボーダーラインを大きく上回っている。
そんななか、懸念されるのはコスト圧力の高まりだ。原材料、エネルギー、人件費、物流費などが軒並み上昇しており、サービス業の5月の投入価格指数は2020年11月以降の最高値を記録した。調査対象企業の多くが、コストアップを吸収するためにサービスの提供価格を引き上げている。
向こう12カ月間のサービス業の楽観度を示す指数は、5月も長期平均値を大きく上回る水準を維持した。「コロナ後」の世界経済の回復について、サービス業の経営者の自信と期待は依然として高いと言える。しかし調査対象企業の一部からは、海外でのコロナ収束の時期が見通せないことに不安の声も聞かれた。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は6月3日
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