中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)は5月20日に2021年1~3月期の決算を発表した。売上高は前年同期比25%増の1353億300万元(約2兆2920億円)で、純利益は同65%増の477億6700万元(約8092億円)と、大幅な増収増益を達成した。投資収益や無形資産の償却などを控除・調整した非国際会計基準の純利益は、前年同期比22%増の331億1800万元(約5610億円)だった。
テンセントは決算報告のなかで、次の段階で重点的に投資をしていく分野を発表した。具体的には、企業向けサービスやソフトウェア、ゲーム、ショートビデオといった領域に優先的に投資していく予定だ。事業投資だけではなく株式投資も積極的に行っていくという。
テンセント総裁(社長に相当)の劉熾平氏は「これらの領域には戦略的に投資をしていくが、具体的にどれぐらいの収益がもたらされるのかを予測することは難しい。とはいえ正しい分野に経営資源を投入すれば、期待を上回る収益がきっと得られるだろう」と語った。
投資収益は2021年1~3月期の利益を押し上げた最大の要因で、純利益の4割以上を占めた。投資収益を含む「その他収益」は、今四半期には前年同期の5倍となる195億元(約3303億円)となり、なかでも投資先の企業価値上昇による評価益は147億4000万元(約2497億円)に上った。
ゲーム事業は成長率が鈍化
投資事業以外の主力事業については、オンラインゲーム事業の売上高が前年同期比17%増の436億元(約7386億円)だったが、2020年10~12月期の29%増と比較すると成長率は鈍化した。
テンセントのゲームコンテンツの稼ぎ頭は相変わらず「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」、「絶地求生(PUBGモバイル)」、「和平精英(ゲーム・フォー・ピース)」だ。 そのうちオナー・オブ・キングスの1日当たりのアクティブアカウント数と有料ユーザー数は2月に最高値を更新したものの、ゲーム事業の成長鈍化を反転させるには至っていない。
オンライン広告の売上高は前年同期比23%増の218億元(約3693億円)だった。増収の原動力はEC(電子商取引)、教育サービス、日用品業界における広告需要の増加や、2020年10~12月期に連結対象となった自動車情報サービスの易車(ビットオート)からの広告収入などだ。
(財新記者:銭童)
※原文の配信は5月20日
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