中国の国有中堅自動車メーカーの長安汽車は5月20日、子会社の長安蔚来新能源汽車科技の社名を「阿維塔科技(アバター・テクノロジー)」に変更することを発表した。
長安汽車はアバター・テクノロジーに独自の経営戦略をとる裁量権を与え、中国の通信大手の華為技術(ファーウェイ)や車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)との提携により、スマートコネクテッドカー(訳注:人工知能(AI)や通信技術を用いてインターネットに常時接続し、高度な自動運転を可能とする自動車)を開発する計画だ。
長安汽車は2020年11月、ファーウェイやCATLと共同で、ハイエンドのスマートコネクテッドカーの新ブランドを立ち上げると宣言していた。今回の社名変更は、3社の提携が新たな局面に進んだことを意味している。アバター・テクノロジーは、新ブランドの名称などの詳細については追って発表するとしている。
自動車業界では、この提携におけるファーウェイの果たす役割が注目されている。財新記者がファーウェイに問い合わせたところ「長安汽車とはあくまでも技術面での提携であり、ファーウェイは部品のサプライヤーにすぎない。いつ『HIバージョン』を発表するか、それは長安汽車が決めることだ」とのコメントを得た。
長安汽車のほかにも車領域でさまざま提携
HIは「Huawei Inside(ファーウェイ・インサイド)」の略称だ。関係者によれば、自動運転システムを含むファーウェイの自動車向けソリューションをフルセットで搭載した車両のみが「HIバージョン」を名乗ることを認められるという。
長安汽車のほかにも、ファーウェイは国有自動車大手の北京汽車集団や、広州汽車集団とHIバージョンの提携を進めている。北京汽車集団傘下のEVメーカーである北汽新能源汽車は4月17日、新型EV(電気自動車)の「極狐 阿爾法S(アークフォックス アルファーS)HIバージョン」を発表した。2021年末にはデリバリーを開始する予定だ(詳細は、「遂に発表!ファーウェイ系「自動運転車」の全貌」を参照)。
ファーウェイと自動車メーカーの提携方式にはHIバージョンのほか、「華為智選(ファーウェイ・スマートセレクション)」という方式もある。ファーウェイは4月19日、中国の中堅商用車メーカー「小康工業集団」のEV子会社が製造する「賽力斯(セレス)SF5 華為智選」を、ファーウェイ製品の専売店で販売し始めた。(セレス SF5 華為智選の詳細については、「ファーウェイとコラボEV、2日で3000台の衝撃」を参照)
「華為智選」方式の提携は、現時点ではセレスのみだ。将来的にファーウェイがHIと華為智選を一本化するかどうかは明確にされていない。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は5月21日
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