中国の低価格EC「拼多多」直営事業が拡大する背景 2021年1~3月期は増収で、赤字幅も縮小した

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2021年1~3月期は大幅な増収を確保し、純損益も赤字幅が縮小した(写真は拼多多のスマートフォン向けウェブサイトより)

低価格販売が強みの中国の電子商取引(EC)大手、拼多多(ピンドゥオドゥオ)は5月26日、2021年1~3月期決算を発表した。創業者の黄崢氏が董事長(会長に相当)を退任後、初めての四半期決算となった(黄崢氏の退任については中国EC「拼多多」筆頭株主の創業者が退任の波乱を参照)

2021年1~3月期の売上高は前年同期比3.39倍の221億6700万元(約3775億円)、純損益は29億元(約493億円)の赤字だったが、前年同期の41億2000万元(約702億円)に比べると赤字幅は縮小した。

また、2021年1~3月期の月間平均アクティブユーザー数は前年同期比49%増の7億2500万人だった。2021年3月末時点における過去12カ月間のアクティブユーザー数は前年比31%増の8億2400万人で、阿里巴巴集団(アリババ)の8億1100万人、京東集団(JDドットコム)の5億人を上回った。

今四半期の決算報告書では、(ECプラットフォームの出店企業からの)サービス料と取引手数料に加え、直営事業の売上高が初めて公開された(訳注:直営事業の主軸は、生鮮農産物を自社で仕入れてオンラインで販売する新規事業の「多多買菜(ドゥオドゥオマイツァイ)」)。売上高は51億2400万元(約873億円)で、総売上高に占める比率は直前の2020年10~12月期に比べて、3ポイント上昇し、23.1%に達した。

プラットフォームの出店企業と競合関係に

直営事業と出店企業は、競合関係にもなるため、利害が衝突しかねない。拼多多は、直営事業は戦略的な事業の位置づけではなく、あくまでも出店企業がユーザーの需要に応えられなかった場合に、補完するためのものと説明している。

本記事は「財新」の提供記事です

とはいえ、拼多多の総売上高に占める直営事業の割合はすでに4分の1近くに達している。直営事業の拡大に注力したことで、2021年1~3月期の売上原価は前年同期比5.87倍の107億5000万元(約1831億円)まで膨れ上がった。

2021年1~3月期は、上場以来初めて、プラットフォームを通じた商品販売の総額であるGMV(流通総額)の開示をやめた。

ただ決算報告書には、出店企業が商品の販売額に応じて支払う取引手数料が前年同期比2.8倍の総額29億3000万元(約499億円)となったことが記載されている。同社経営陣は決算説明会で、「GMVに占める商品の取引手数料の比率は変わらない。GMVの増加に伴い、手数料の額も増加した」と解説した。

(財新記者:原瑞陽)
※原文の配信は5月27日

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