中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)の業績が四半期ベースで過去最高を記録した。5月26日の同社の発表によると、2021年1~3月期の売上高は前年同期比54.7%増の768億8200万元(約1兆3047億円)、調整後純利益は前年同期比2.64倍にあたる60億6900万元(約1030億円)と激増した。
直前の2020年10~12月期のシャオミの決算は、半導体供給不足が一時的に同社のスマホ生産にも影響し、アナリストの事前予想に届かなかった。
シャオミの総裁(社長に相当)を務める王翔氏は2021年1~3月期の決算説明会で「年内に半導体の供給不足問題が抜本的に解決される可能性は高くない。ただしこの事態は、今やシャオミのスマホ事業にとっては特段深刻な問題ではなくなった」と語った。
その理由として王総裁は、「現在われわれが確保できている半導体の状況から見て、(今後のスマホ事業は)高い成長を維持できるはずだ」と述べ、半導体不足への対応に自信を示した。
2021年1~3月期にシャオミが出荷したスマホは4940万台で、前年同期比69.1%増と大きく拡大した。調査会社のカナリスによれば、全世界におけるスマホ出荷台数でシャオミは3位となり、市場シェアは14.1%に達した。シャオミは3四半期連続で3位を維持している。
出荷台数の急増により、2021年1~3月期のシャオミのスマホ事業の売上高は、前年同期比69.8%増の515億元(約8740億円)と、四半期ベースで過去最高を記録した。
ファーウェイの出荷台数減が追い風に
シャオミのスマホ出荷台数の増加は、競合企業である華為技術(ファーウェイ)のスマホ出荷台数が落ちこんだことも、間接的な要因になっている。アメリカ政府の制裁により、2020年9月15日以降、半導体メーカーはファーウェイに対して最新のチップを供給できなくなった。ファーウェイはスマホを販売したくても、販売できる商品がない状態に陥ったのだ。
とくに中国国内市場では、シャオミのほかに、OPPO(オッポ)、vivo(ビボ)などが、その恩恵にあずかった。2021年1~3月期における中国国内市場でのシャオミのスマホ出荷台数は前年同期比74.6%増となり、市場シェアは14.6%で4位になった。
カナリスの統計によれば、ヨーロッパ市場におけるシャオミのスマホ出荷台数は前年同期比85.1%増で、市場シェアは22.7%の2位だった。またラテンアメリカ地区における出荷台数は前年同期比2.62倍で、市場シェアは11.5%の3位になった。
(財新記者:屈慧)
※原文の配信は5月26日
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