中国のパソコン大手の聯想集団(レノボ・グループ)は5月27日、2021年1~3月期の決算を発表した。新型コロナウイルスの流行に伴い、(リモートワークなどの)パソコン需要が急増したことや、(世界規模で新型コロナ感染が拡大していなかった)2020年1~3月期からの反動増により、売上高は前年同期比48%増の1060億元(約1兆8052億円)、純利益は同6.12倍の17億6000万元(約300億円)と大幅に増加した。
同時に発表した2021年3月期の通期決算を見ても、売上高は前年比20%増の3948億元(約6兆7234億円)、純利益も同77%増の77億元(約1311億円)と絶好調だ。
事業セグメント別の売上高を見ると、主力のパソコンのほかスマートフォンなども含む「PCおよびスマートデバイス事業」が910億元(約1兆5497億円)と全体の9割近くを占めた。これに対し、サーバーやクラウド、ソフトウェア・サービスなどを含む「データセンター事業」は104億元(約1771億円)と全体の約1割程度だった。
長年パソコンの世界首位を維持
レノボは長年にわたりパソコンの世界市場でシェア首位の座を守っている。市場調査会社IDCのデータによると、2021年1~3月期の全世界における出荷台数は前年同期比59%増の2040万台、市場シェアは約24%に達した。ただし2位のヒューレット・パッカード(HP)との差は2ポイントとごくわずかだ。
レノボの董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)の楊元慶氏は、決算説明会で「2021年の世界のパソコン出荷台数は3億3000万台から3億5000万台となり、前年比で10~17%増加すると予測している。新型コロナの大流行のなかで、パソコンは最も大きく成長した製品の1つだ。2020年の世界のパソコン出荷台数は2019年比で13%増と、増加幅は過去10年間で最大となった」と語った。
また、楊氏は「エレクトロニクス業界では半導体の深刻な供給不足に直面している。この問題は、あと12~18カ月は続くだろう。新たな半導体の生産設備が稼働するまでは、供給不足は改善されない。しかしレノボは製品のうち半分を自社工場で作っており、IT部品サプライヤーが使う半導体についてもしっかり確保できている。2021年4~6月期と、2022年3月期の通期決算では、2桁の成長率を維持できる自信がある」という。
決算説明会ではレノボが自動車製造への進出を検討しているかどうか、という質問もあった。それに対して楊氏は「クルマを作ることは絶対ない。われわれは(パソコンやデータセンター事業の)明確な戦略を策定している。限られた経営資源を戦略に基づいて投下していく」と回答した。
(財新記者:浦隽、何書静)
※原文の配信は5月27日
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