中国パソコン・レノボが上海に「里帰り上場」へ 香港上場から27年ぶり、CDRの発行を通じて

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レノボは中国企業だが、持ち株会社の登記地をオフショア扱いの香港に置いている(写真はレノボの中国向けウェブサイトより)

中国のパソコン大手の聯想集団(レノボ・グループ)は1月12日、中国預託証券(CDR)の発行を通じた上海証券取引所のハイテク企業向け新市場「科創板」への上場を申請したと発表した。同社は1994年に香港証券取引所に上場しており、27年ぶりに中国国内の証券市場に「里帰り」することになる。

「中国国内の証券市場への上場は、レノボの企業戦略と国内の活力ある資本市場との連携を強化することにつながる。また、国内の投資者がレノボに投資する際の利便性を高めることできる」。レノボ董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)の楊元慶氏は、発表の中でそうコメントした。

上場計画によれば、レノボは増資後の総資本の10%を上限に新株を発行する。現在の発行済み株式数(120億株)から逆算すると、発行される新株数は13億4000万株となる。調達した資金は技術、製品、ソリューションの研究開発、関連事業への戦略投資、運転資金などの用途に充てる。

テレワーク特需で主力事業に追い風

中国企業のレノボが国内市場に上場するためにCDRを発行するのは、持ち株会社の登記地が(オフショアとして扱われる)香港であるためだ。同様のケースはこれが初めてではない。2020年10月には、ロボット関連のスタートアップ企業の「九号(ナインボット)」(訳注:持ち株会社の登記地は英領ケイマン諸島)がCDRを発行して科創板に上場した。

新型コロナウイルスの世界的大流行によるテレワーク関連需要の急増で、レノボの収益の柱であるパソコン事業には強い追い風が吹いている。市場調査会社のIDCによれば、2020年のレノボのパソコン出荷台数は前年同期比12%増の7267万台に達し、世界シェアは24%と首位の座を守った。

本記事は「財新」の提供記事です

パソコン事業の好調を受け、レノボの2020年7~9月期の売上高は前年同期比7%増の145億1900万ドル(約1兆5116億円)、純利益は同43%増の3億5000万ドル(約364億円)を記録した。

楊CEOによれば、目下のパソコン事業の業績を左右するのは製品の注文をどれだけ取れるかではなく、(殺到している)注文に見合う量の部品の調達を確保できるかどうかだという。

(財新記者:何書静)
※原文の配信は1月13日

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