中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)が、市場シェア拡大に向けた新たな軍資金の確保に乗り出した。同社は12月2日、株式の追加発行と転換社債の組み合わせにより約39億1500万ドル(約4085億円)を調達する計画を発表した。
シャオミによれば、株式の追加発行は10億株を予定しており、これは増資後の発行済み株式の4%、議決権の1.5%に相当する。発行価格は香港証券取引所での12月1日の終値より9.4%安い1株当たり23.70香港ドル(約319円)。計画どおりに完了すれば、追加発行による資金調達額は30億6000万ドル(約3193億円)となる計算だ。
転換社債については額面8億5500万ドル(約892億円)、金利0%、償還期限7年という条件で発行する。暫定的な転換価格は12月1日の終値より40.5%高い1株当たり36.74香港ドル(約495円)に設定された。
今回調達する資金の使い道について、シャオミは「業務拡大のための運転資金、市場シェア拡大のための投資、戦略的エコシステム強化のための投資」などの一般的な用途を挙げている。
アップル抜き世界シェア3位に浮上
このタイミングで大規模な資金調達に動いた裏には、中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)がアメリカ政府の制裁により半導体の調達が困難になり、スマホの出荷台数を落としていることがある。
シャオミはライバルの苦況に乗じて、同社の弱点だった中国国内の実店舗ルートの販売を強化しようとしている。シャオミの中国地区総裁を務める盧偉冰氏は11月26日、シャオミ製品の専売店の「小米之家」を1年以内に中国国内のすべての中小地方都市に開設すると宣言した。
一方、海外市場ではいち早く拡販の成果が上がり、市場シェアが急拡大している。市場調査会社のIDCによれば、シャオミの2020年7~9月期のグローバル出荷台数は4650万台と、前年同期比42%増加。初めてアップルを抜き、サムスン電子とファーウェイに次ぐ世界3位に浮上した。
(財新記者:何書静)
※原文の配信は12月2日
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