スマートフォンで中国首位の華為技術(ファーウェイ)がアメリカ政府の制裁を受けて出荷台数を落とすなか、ライバルの小米(シャオミ)がその空白を埋めるように業績を伸ばしている。
11月24日、シャオミは2020年7~9月期の決算報告を発表。同四半期の売上高は前年同期比35%増の722億元(約1兆1451億円)、調整後純利益は同19%増の41億元(約650億円)と大きな伸びを記録した。
業績拡大の牽引車は売上高の66%を占めるスマホ事業だ。7~9月期のグローバル出荷台数は4660万台と前年同期比45%も増加。それに加え、スマホの平均販売価格が前年同期比1.5%上昇したことが売上高を押し上げた。
なかでも貢献が大きかったのが海外市場だ。市場調査会社のカナリスによれば、シャオミの7~9月期のグローバル出荷台数は前年同期比1450万台増加し、その9割近くが海外からもたらされた。対照的に、ファーウェイの7~9月期のグローバル出荷台数は同1500万台減少した。
海外市場と5Gが好業績を牽引
「欧州市場でエントリークラスのスマホの需要がとても旺盛だった。また、中国市場では5G(第5世代移動通信)スマホへの買い換えが進んでおり、平均販売価格の上昇につながった」
シャオミ総裁(社長に相当)の王翔氏は、電話を通じた7~9月期の業績説明会でそう述べた。
とはいえ、海外市場での躍進がこのまま続く保証はない。「エントリークラスのスマホユーザーはブランドへのこだわりが小さい。シャオミは今後、OPPO(オッポ)やvivo(ビボ)との激しい競争にさらされるだろう」。カナリスのアナリストの賈沫氏はそう予想する。
さらに、ファーウェイから分離独立した低価格ブランド「栄耀(Honor)」がアメリカ政府の制裁対象から外れた場合、シャオミから市場シェアを奪い返そうと攻勢をかけるかもしれない。
なお、栄耀の分離独立について王翔氏は「シャオミの経営戦略にはまったく影響しない」とコメントした。
(財新記者:何書静)
※原文の配信は11月25日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら