中国の製造業はコロナ禍からの全面回復がさらに加速している。12月1日に発表された2020年11月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は54.9と、前月の53.6から1.3ポイント上昇。10年前の2010年12月以来の高水準を記録した。
製造業のビジネスは需要・供給の両面で回復しており、11月の生産指数と新規受注指数はそろって10年ぶりの高水準に上昇した。新規受注の増加が生産拡大を牽引する好循環が、調査対象企業の多くで生じている。
外需に関しては、新規輸出受注指数の改善幅は内需を若干下回ったものの、4カ月連続で拡大基調を維持した。海外では新型コロナウイルスの流行が続き、企業の生産活動が制約を受けているため、コロナの影響が小さい中国企業への発注が増えているとの見方がある。
受注拡大への対応で雇用も改善
需要と供給の力強い増加を背景に雇用も改善している。11月の雇用指標は3カ月連続で拡大基調を維持し、2011年6月以来の高水準を記録した。調査対象企業からは、「受注拡大に対応するため新規採用を増やしている」との回答が多数寄せられた。
今後12カ月間の楽観度を示す指数は10月より幾分下がったものの、2021年に向けたビジネス環境への期待感は依然として高い。足下の受注増加に加えて、政府の経済対策の継続やコロナの収束による世界経済の回復を見込んでいることが背景だ。
「製造業の景気回復はまだ数カ月は続くだろう。だが、国内外の経済環境には多数の不確実性が依然存在している。政府の金融緩和政策の段階的縮小に関しては慎重な対応が求められる」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は12月1日
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