中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)は3月24日、2020年10~12月期の四半期決算および2020年の通期決算を発表した。
10~12月期の売上高は704億6200万元(約1兆1753億円)と、前年同期比では24.8%増加したものの、直前の7~9月期との比較では2.4%減少した。また、調整後純利益は32億400万元(約534億円)と、前年同期比では36.7%増加したが7~9月期より22.4%減少した。
この業績はアナリストの事前予想を下回るものだった。例えば投資銀行大手の中国国際金融(CICC)は、シャオミの10~12月期の売上高を730億元(約1兆2176億円)と予測していた。
伸び悩みの最大の原因は、半導体の供給不足でスマホの生産が制約を受けたことだ。決算報告書によれば、10~12月期のシャオミのスマホ出荷台数は4230万台と、クリスマス・シーズンの書き入れ時にもかかわらず7~9月期より9.2%減ってしまった。
スマホ1台当たりの平均価格は上昇
「半導体不足は世界的な問題であり、当社は2020年10~12月期から深刻な供給不足に直面している」。シャオミの総裁(社長に相当)を務める王翔氏は、決算説明会でそう語った。しかし王氏によれば、シャオミは部品サプライヤーと協力して対策を講じつつあり、2021年1~3月期には成長の遅れを取り戻すという。
なお通期決算では、2020年の売上高は2459億元(約4兆1016億円)と前年比19.4%増加、調整後の純利益は130億元(約2168億円)と12.8%増加した。同年のスマホ出荷台数は1億4700万台に達し、前年比17.5%の伸びを記録した。
注目すべきは、スマホの1台当たり平均価格が1040元(約1万7347円)と、2019年より6.1%上昇したことだ。価格の高いハイエンド機種の販売が増えたことによるもので、決算報告書によれば、メーカー希望価格が中国国内で3000元(約5万円)以上、海外で300ユーロ(約3万9000円)以上のスマホの販売台数は約1000万台に達した。
もっとも、シャオミがハイエンド機種の販売を伸ばせたのは、中国のスマホ最大手の華為技術(ファーウェイ)がハイエンド市場でシェアを落とした恩恵が大きい。
ファーウェイはアメリカ政府の制裁のために半導体の調達が困難になり、2020年9月以降、スマホの出荷台数が急減した。そのため生じた市場の空白を埋める形で、2番手グループのシャオミやOPPO(オッポ)などがシェアを伸ばした格好だ。
(財新記者:屈慧)
※原文の配信は3月24日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら