中国のスマホ大手のOPPO(オッポ)は3月11日、ハイエンドの新型スマートフォン「Find X3」シリーズを発表した。希望小売価格は基本機種が4499元(約7万5178円)から、上位機種の「Find X3 Pro」が5499元(約9万1888円)からとなっている。
これまで中低価格帯のスマホを主力にしてきたOPPOにとって、Find X3はハイエンド市場を攻略するための重要な戦略機種だ。OPPOの副総裁兼中国地区総裁を務める劉波氏は財新を含むメディアの取材に応じ、「当社は販売価格600ドル(約6万5000円)以上の価格帯で市場シェア3位以内に入りたい」と意気込みを語った。
市場調査会社ストラテジー・アナリティクスのアナリストの隋倩氏によれば、世界の600ドル以上のハイエンドスマホ市場でOPPOの存在感は小さい。2020年のシェアはわずか0.2%、前世代のハイエンド機「Find X2」の出荷台数は100万台にも届かなかった。
世界のハイエンドスマホ市場では、韓国のサムスン電子、アメリカのアップル、中国の華為技術(ファーウェイ)という「3強」が大きなシェアを占め、その残りを多数のメーカーが分け合っているのが実態だ。OPPOが3強の一角に食い込むためには、ファーウェイの「Mateシリーズ」や「Pシリーズ」のようなヒット機種を生み出さなければならない。
中国のハイエンド市場では躍進の可能性も
OPPOがハイエンド市場の攻略を打ち出した背景には、ファーウェイがアメリカ政府の制裁により2020年9月から半導体の調達が困難になったことがある。その結果、ファーウェイは生産・出荷の減少を余儀なくされており、OPPOや小米(シャオミ)、vivo(ビボ)などがハイエンド市場に攻め入る千載一遇のチャンスが訪れた。
とはいえ3強入りの実現は容易ではない。アナリストの隋氏によれば、ハイエンド市場でOPPOが成功する可能性はあるものの、2つの前提条件があるという。中国国内のハイエンド市場で一定以上のシェアを確保することと、欧州などハイエンド機の需要が大きい海外市場でもシェアを拡大することだ。
目下のところ、OPPOが躍進できる可能性がより高いのは国内市場だろう。
調査会社IDCの2020年1~6月のデータによれば、中国の600ドル以上のハイエンドスマホ市場ではファーウェイとアップルがそれぞれ4割以上のシェアを確保していた。これに対してOPPOやシャオミのシェアは4%未満であり、伸びしろは大きいと言えそうだ。
(財新記者:田宇辰、屈慧)
※原文の配信は3月12日
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