中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の元サブブランドで、2020年11月に分離独立した「栄耀(Honor)」は1月22日、独立後初めての新製品発表会を開催した。
この日お披露目した新型スマートフォン「V40」は、画面に6.7インチの有機ELパネルを採用し、心臓部のSoC(訳注:システムオンチップの略称。CPUや通信モデムなどの基幹機能を1つのチップにまとめたもの)に台湾の聯発科技(メディアテック)製の「天璣1000+(プラス)」を搭載する中級機だ。価格はストレージ容量が256ギガバイトの上位モデルが3999元(約6万4000円)、同128ギガバイトの下位モデルが3599元(約5万7600円)となっている。
独立以前の栄耀は、ファーウェイブランドのハイエンド機種との競合を避けるため、主に若者向けの中低価格帯のスマホに特化していた。独立後はこのすみ分けが不要になったことから、栄耀の端末部門のCEO(最高経営責任者)を務める趙明氏は、今回の発表会で「われわれ独自のハイエンドの旗艦スマホを作り上げる」と宣言した。
主要な部品サプライヤーとすでに契約
趙氏によれば、栄耀の旗艦スマホはアメリカのクアルコム製のSoCをベースに開発される。しかし投入時期については明らかにしなかった。
なお、財新記者が栄耀の複数の関係者から得た情報によれば、クアルコム製SoCを搭載するハイエンド機種はすでに開発が進んでおり、2021年5~6月頃に発売される見込みだという。
独立後の栄耀にとって喫緊の課題になっていたのが、安定した部品調達ネットワークの再構築だ。アメリカ政府の制裁により、ファーウェイは半導体の調達が困難になっている。栄耀はファーウェイのサプライチェーンには頼れず、自前の調達網を持たなければならないからだ。
だが趙氏によれば、ファーウェイのコンシューマー製品部門のCOO(最高執行責任者)から栄耀の会長に転じた万飆氏の奔走により、すでに主要な部品サプライヤーのほとんどと契約を交わすことができたという。
それらのなかにはクアルコム、メディアテック、マイクロン・テクノロジー、サムスン電子、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、インテル、マイクロソフトなどが含まれている。
(財新記者:何書静)
※原文の配信は1月22日
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