中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)は3月24日、2020年10~12月期および2020年の通期の決算報告を発表した。それによれば、10~12月期の売上高は前年同期比26%増の1336億6900万元(約2兆2296億円)、純利益は前年同期の2.75倍の593億200万元(約9892億円)と、大幅な増収増益を達成した。
昨年は新型コロナウイルスが流行したにもかかわらず、通期の業績も絶好調だった。2020年の売上高は前年比28%増の4820億6400万元(約8兆408億円)、純利益は前年比71%増の1598億4700万元(約2兆6662億円)に達した。
好業績を牽引するのは投資事業とオンラインゲーム事業だ。10~12月期の損益計算書には、投資収益が主である「その他利益」に前年同期の9倍の329億元(約5487億円)が計上された。これはソーシャルメディア、電子商取引、オンラインゲームなどを手がける子会社の企業価値が大きく増加したことによるものだ。
オンラインゲーム事業の10~12月期の売上高は391億元(約6522億円)と、前年同期比29%増加した。ゲームのタイトル別では「和平精英(ゲーム・フォー・ピース)」、「王者栄耀(オナー・オブ・キングス)」、「絶地求生(PUBGモバイル)」、「天涯明月刀」などが人気を集めた。
「監督当局との会合は日常的」
一方、テンセントの将来に関して市場の注目を集めているのが、中国政府が運用を強化している独占禁止規制への対応だ。3月24日の業績説明会では、この問題についての質問がアナリストから相次いだ。
これに対してテンセント総裁(社長に相当)の劉熾平氏は、完全な法令順守および監督当局の指導を守ることが経営原則であると強調したうえで、次のようにコメントした。
「当局とのコミュニケーションを重ねるなかで、テンセントは(巨大IT企業の独占的な振る舞いに対して)政府や社会がどんな懸念を抱いているのかを理解しつつある。将来(のあるべき姿)を見据えたやり方でコンプライアンスに取り組みたい」
なお、テンセントの創業者でCEO(最高経営責任者)の馬化騰(ポニー・マー)氏が独占禁止当局の担当者と面会したと、ロイター通信が報道したことについて、劉氏はそれが(当局の召喚ではなくテンセント側から)自発的に求めた面会だと説明し、「監督当局との会合は日常的なことだ」と述べた。
(財新記者:銭童)
※原文の配信は3月24日
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