スマートフォンのグローバル市場争奪戦が転機を迎えている。複数の調査会社が4月29日に発表したデータによれば、2021年1~3月期の全世界のスマホ出荷台数は前年同期比20%以上増加した。そんななか、メーカー別の出荷台数ランキングで中国の華為技術(ファーウェイ)がトップ5から姿を消したのだ。
調査会社のIDCのデータによれば、1~3月期の全世界のスマホ出荷台数は3億4600万台に達した。新型コロナウイルスの世界的大流行が始まって以降、四半期ベースの出荷台数が前年同期を上回ったのは2020年10~12月期に続いてこれで2回目だ。
同じく調査会社のカナリスによれば、2020年の全世界のスマホ出荷台数は新型コロナ流行の影響を受けて2019年比7%減少した。しかし2020年10~12月期には前年同期比の減少幅が2%に縮小。続く2021年1~3月期には同27%の大幅な増加に転じた。
中国ではvivoが1位、OPPOが2位に躍進
スマホ市場全体が回復の勢いを増すなか、上位メーカーの顔ぶれには大きな変動が生じた。アメリカ政府の制裁強化により半導体の調達が困難になったファーウェイが、市場シェアを大幅に落としたためだ。カナリスによれば、2021年1~3月期のファーウェイの出荷台数は1860万台、グローバル市場でのシェアは5.3%にとどまった。
「ファーウェイのスマホ事業は制裁の影響でさらなる縮小を余儀なくされている。またファーウェイ自身、すでに事業戦略の重点をスマホ以外の分野に移しつつある」。調査会社のストラテジー・アナリティクスの呉怡雯氏は、そう解説する。
IDCの分析によれば、ファーウェイの出荷減少を埋める格好で、低価格スマホでは小米(シャオミ)、OPPO(オッポ)、vivo(ビボ)が、高級スマホではサムスン電子とアップルがそれぞれ市場シェアを伸ばした。
ファーウェイは本拠地の中国市場でも、すでにシェア首位の座を譲り渡している。カナリスのデータによれば、2021年1~3月期の中国市場のシェアはvivoが22%で1位、OPPOが21%で2位に躍進、ファーウェイは15%で3位に後退した。なお、4位にはシャオミが僅差で迫り、5位はアップルだった。
(財新記者:何書静)
※原文の配信は5月1日
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