あのTikTokに次ぐアプリ、「PDD」って何だ?

中国でアリババの座を脅かす新興ECの素性

中国ECの巨大セールは11月11日の「独身の日」だけではない(編集部撮影)

貿易協議が再開したとはいえ、長期化が予想される米中貿易摩擦。その余波は、中国のEC業界にも及んでいる。

中国EC最大手のアリババグループが牽引する、毎年11月11日の「独身の日」セールは日本でも認知度が高いが、6月にも巨大なセールがあることはあまり知られていない。EC業界2位の京東(JDドットコム)が6月1~18日まで、自社の創業祭として主導する「618セール」だ。「独身の日」セールに匹敵する売り上げ規模になりつつある。

従来は、京東が5月から大規模なプロモーションを始めるのに対して、ライバル企業は傍観することが多かった。「京東のセールに参加しても、結局は京東の存在感を高めるだけ」(アリババ関係者)。だが、今年から状況が一変した。5月に入り、アリババが「独身の日に相当するセールを6月にも実施する」と、明言したのだ。

EC新興勢力の拼多多(ピンドゥオドゥオ、PDD)も100億元(約1600億円)のクーポンを用意し、参戦表明した。

取引額は1社だけで3兆円超え

その結果、セール期間中の京東の取引額は、前年比26.6%増の2015億元(約3.2兆円)に到達。アリババは金額を公開していないものの、多くのブランドが昨年の「独身の日」セールの売上高を上回ったという。PDDは11億件超の注文を獲得し、そのうち7割が地方都市からの注文だった。

京東の「618セール」に各社が“便乗”するようになったのはなぜか。

米中摩擦に対して、中国国内では「一致団結して長期戦に立ち向かおう」といった機運が高まっているものの、中国経済の先行き不透明感が増していることは事実である。

それだけではない。昨年来、中国人の消費行動に関して、消費意欲の向上と消費者ニーズの多様化による「消費昇級(アップグレード)」と、質の低い安物を求める傾向を表す「消費降級(ダウングレード)」という、2つの説の間で論争が起きている。ECの主戦場が北京や上海などの大都市から、小都市や地方に広がり、新たなユーザー争奪戦が始まっているのだ。

次ページあのアマゾンすら中国市場から撤退
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • フランスから日本を語る
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • この新車、買うならどのグレード?
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT