アリババが「1元ショップ」の実店舗に参入の訳

3年間で1000店、低価格商品で拼多多を追撃へ

アリババはネット通販の「淘宝(タオバオ)」から低価格商品に特化した専用アプリをスピンオフさせた(写真は淘宝特価版アプリの起動画面)

中国の電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴集団(アリババ)は10月10日、品揃えを低価格商品に絞ったECアプリ「淘宝(タオバオ)特価版」の実店舗をチェーン展開すると発表した。淘宝特価版は低価格商品に強みを持つECアプリ「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」と直接の競合関係にある。

アリババによれば、上海市に開く実店舗の1号店には120万社のサプライヤーから商品を集め、そのすべてを単価1元(約16円)で販売するという。この「1元ショップ」のプロジェクトは「工場在庫一掃計画」と名付けた淘宝特価版のキャンペーンの一環であり、向こう3年間で中国全土に少なくとも1000店を展開する計画だ。

「このプロジェクトでわれわれが注目しているポイントは2つある。第1に、消費者が製造業者の在庫処分品を受け入れるかどうか。第2に、製造業者が(商売のやり方を変えて)小売業者に脱皮できるかどうかだ」。アリババの副総裁で淘宝特価版の統括責任者を務める汪海氏は、財新を含む複数メディアの取材にそうコメントした。

生活雑貨大手「メイソウ」との競合も

今年3月、アリババは傘下のネット通販サイト「淘宝(タオバオ)」から低価格商品に特化した淘宝特価版アプリをスピンオフさせ、独立した運営を開始。さらに、同じく傘下の中小企業向けオンライン卸売市場「1688」とシステムを接続し、1688の加盟店が淘宝特価版に出店する際に商品や在庫のデータを共用できるようにした。

市場調査会社のトラストデータによれば、2020年8月時点の淘宝特価版の月間アクティブユーザー数は5500万人に上る。とはいえ、低価格商品のECで先行する拼多多は月間アクティブユーザー数が6月時点で約6億1000万人に達しており、ライバルとの落差は依然大きい。

本記事は「財新」の提供記事です

汪氏によれば、実店舗への参入は淘宝特価版のユーザーを増やすための取り組みであり、消費者が商品の実物を手に取りやすくするのが目的だという。だが、実店舗の市場には低価格商品を得意とする生活雑貨大手の名創優品(メイソウ)など、オンラインの拼多多とはまた違う強敵が存在する。

「われわれはイノベーションの試みをやり続けなければならない。将来はさらにさまざまなやり方を試していく」。汪氏はそう決意を語った。

(財新記者:原瑞陽)
※原文の配信は10月10日

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