中国、世界の「リモートワーク特需」で輸出好調

9月の総輸出9.9%増、今年最高の伸び率記録

2020年9月の中国の貿易は輸出・輸入ともに伸び率がエコノミストの予想値を上回った。写真は輸出産業が集中する華南地区の大規模コンテナ港(盐田港集団のウェブサイトより)

中国の貿易が力強い回復を見せている。中国海関総署(税関)が10月13日に発表した貿易統計データによれば、2020年9月の中国の輸出額(ドル建て)は前年同月比9.9%増の2397億6000万ドル(約25兆2800億円)と、伸び率が8月(同9.5%増)より0.4ポイント上昇して今年の最高値を更新した。一方、輸入額は同13.2%増の2027億6000万ドル(約21兆3800億円)と2桁の伸びを示し、増減率が3カ月ぶりにプラスに転じた。

9月の輸出入の実績値はエコノミストの事前予想をそろって上回った。財新が金融機関やシンクタンクなど国内外の16機関を対象に実施した調査では、9月の輸出増加率の平均予想値は9.5%、輸入は同0.8%だった。特に輸入の実績値が予想値を大幅に上回ったことは、中国の内需回復のペースが加速している表れと言えそうだ。

10月13日に記者会見した海関総署の報道官によれば、輸出好調の背景にはマスク、医療機器、医薬品など新型コロナウイルス対策の医療用物資に加えて、リモートワークやオンライン授業の世界的な広がりに伴うパソコンやタブレットの需要急増があるという。

対米輸出は20.5%増、対日輸出は2.7%減

品目別の輸出の伸び率では、9月もやはり医療用物資が目立った。マスクを含む紡織製品の輸出は前年同月比34.7%増加。8月(同47.0%増)に比べて12.3ポイント低下したものの、6カ月連続で2桁増を維持した。人工呼吸器などの医療機器の輸出も同30.9%増と、輸出全体の伸び率を大幅に上回った。

国別では、9月のアメリカ向け輸出が前年同月比20.5%増と、伸び率が今年の最高値を更新した。ASEAN(東南アジア諸国連合)向け輸出も同14.4%増と今年の最高値を記録。一方、日本向け輸出は同2.7%、EU(欧州連合)向け輸出は同7.8%それぞれ減少した。

本記事は「財新」の提供記事です

輸入に目を転じると、9月は原油の輸入量が前年同月比17.6%増加し、8月(同12.6%増)に比べて5ポイント上昇。しかし原油相場の値下がりで、金額ベースの原油輸入は同14.1%減少した。その他の主要品目では鉄鉱石の輸入が数量ベースで前年同月比9.2%、金額ベースで17.1%、大豆が数量ベースで同19.4%、金額ベースで同17.6%それぞれ増加した。

(財新記者:程思煒)
※原文の配信は10月13日

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