「輝かしい失敗」からイノベーションが生まれる訳 「オランダ発」リスクや失敗をプラスにする方法
また、事後の学習にも役立ち、何を行い、その結果、何が起きたかを型を使って整理し、共有することで、組織、チーム、システム、個人という各レベルで失敗を捉えやすくなります。
失敗からの知識や経験をたたえ合おう
失敗の経験を共有するために、私たちはいくつかの部門に分けて「輝かしい失敗賞」という表彰制度も設けています。その結果、みんなが受賞をめざして応募してくる(情報を共有する)ようになりました。というのも、受賞すれば、自分たちが価値あることに挑戦して、最善を尽くし、そこからたくさんの知識と価値を生み出した証になるからです。
たとえば、複雑なヘルスケアのシステムの中でも、失敗の経験や学びを用いて、さらによりよくしていくことができます。コロナ禍がそのいい例であり、オランダでも非常に混沌とした複雑な状況の中で、実際に何が起こっているかというところから学びを積み重ねています。こうした危機の経験や知識をそのまま何も共有しなければ、無駄になってしまいます。
日本の皆さんも、ぜひ失敗を褒めたたえるようになればと願っています。そうすれば、誰もが自分たちがどんな試みをしたかを積極的に共有するようになり、それがよりよい世の中につながっていくからです。
輝かしい失敗は単なる選択肢ではありません。非常に複雑で動的な世界の中で必要なものなのです。
(構成:渡部典子)
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