日本が世界で躍進したのに今に繋がってない訳 持続的な発展の基盤が作られたかどうかは疑問
遅れていた国が、ある時、急発展して世界の先頭へ
「リープフロッグ」とは、蛙(かえる)跳びのことです。
蛙が跳躍して何かを飛び越えるように、それまで遅れていた国が、ある時、急激に発展し、先を行く国を飛び越えて、世界の先頭に躍り出る。そして世界を牽引するのです。
中国の躍進ぶりが注目を集めています。これまでのように安い労働力で安い工業製品を大量に生産するだけでなく、AI(人工知能)などの新しい技術を駆使してさまざまな経済活動を始めているのです。そして、アメリカと覇権国の地位を争うまでになっています。
ところが、目覚ましい発展の背景を調べると、そのほとんどがリープフロッグで説明できるのです。「遅れていたことを逆手に取った」ということができますし、「失敗したから成功した」ということもできます。歴史を見ると、こうしたケースが数多く見られます。
19世紀末から20世紀初めの第2次産業革命に、少し遅れて、日本も加わりました。日本の国家体制は明治維新で大きく変わりました。これがその当時の中国との大きな違いです。そして工業化に成功し、欧米列強と肩を並べるまでになったのです。
ただし、これは、「リープフロッグ」というよりは、「キャッチアップ」というのが適切なプロセスでした。
先進国ですでに導入されている技術を導入した場合がほとんどで、日本が自ら新しい技術を開発したわけではなかったからです。「新しい技術を自ら開発して古い技術に囚われている先発国を追い抜いた」というよりは、「先発国で開発された技術を導入して、先発国に追いついた」という面が強かったのです。
後発国は、新技術の発明と開発に必要な多大のコストを負担することなしに新しい技術を用いることができます。したがって、先進国より簡単に経済成長を実現することができるのです。明治維新後の日本の工業化が急速だったのは、それがキャッチアップ過程だったからです。
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