個人情報に鈍感な人に伝えたいGAFA規制の意味 個人の小さな損害を放置すると市場が歪む
GAFAの手のひらで操作される私たち
いわゆるGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に代表されるデジタル・プラットフォーム事業者は、個人データを取り扱うことで成功したビジネスモデルです。2020年5月にはGAFAとマイクロソフトの5社のみの時価総額が、日本の東証1部約2170社の総額を上回ったことが報道されました。
「データを制する者はビジネスを制す」という命題はまさにGAFAの成功例に示されています。
個人データを駆使したビジネスモデルは、ショシャナ・ズボフの言葉を借りれば、個人データの監視を通じて行われる「監視資本主義」へと変容しつつあります。消費者の知らないところで、個人データが収集、利用、共有され、顧客像が造り出され、おすすめの広告が配信され、商品が提示されることで対象者の一歩先を読む「おもてなし」をすることができるようになりました。
GAFAにみられるようなデータビジネスは、利用者に無料のサービスを提供する見返りに、収集した利用者の個人データをマネタイズすることで成り立っています。監視資本主義の台頭により、利用者のプライバシーがなくなったのではなく、利用者のプライバシーの条件が、GAFAに象徴されるごく一部の大企業のサービス設定によって左右されかねない状況が生み出されたのです。
手のひらのスマートフォンでGAFAを利用する私たちは、GAFAのサービスの手のひらで逆に操作される対象となってしまったのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら