「張り紙1枚」で交通の利便性は飛躍的に高まる 震災10年の津波被災地をたどる・福島いわき編

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常磐線のいわき駅。JRの特急はもちろん、高速バス・路線バスが発着する地域の交通の結節点だ(筆者撮影)
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2021年3月11日に、東日本大震災の発生から10年が経過した。ひとつの区切りではあるが、復興が終わったわけではない。公共交通機関についても、鉄道は一応の復旧が完了したが、沿線の状況を含めて”昔の通り”とはいかない。

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これまで、被災した鉄道については運転再開まで詳細に取材してきた。津波に襲われた範囲は、南は千葉県から北は青森県まで非常に広い範囲に及ぶ。当然、鉄道がない地域もある。それゆえ、路線バスを含めて、できるだけ海に沿って公共交通機関を乗り継ぎ、現状を見てみようと思い立った。

東北の玄関口から北上

最初は3月10日の朝、福島県の最南端に当たる、JR常磐線勿来(なこそ)駅からスタートした。「勿来の関」で知られる、東北の玄関口でもある。

JR常磐線の勿来駅(筆者撮影)

駅に着くとすぐ、まず7時36分発の上り水戸行きが入ってきた。かなり乗り込む人がいる。県境を越えて茨城県側に通う通勤客だ。筆者が乗り込んだ7時42分発の下りいわき行きにも先客が多く、5両編成の席がさらっと埋まっている。一般的には県境を越えると経済圏は別々になるが、ここはそうではない。「縦割り」にならない経済振興施策が求められるだろう。

発車すると、右手の車窓には勿来火力発電所が見えた。原子力発電所が使えない分、電力需要を支えている発電所の1つだ。震災では全発電機が被災したそうだが、6月以降に順次、復旧にこぎつけている。

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