被災者支える「公営バス」から見た復興の現実 震災10年の津波被災地をたどる・宮城南部編

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仙台空港にも乗り入れる岩沼市民バス(筆者撮影)
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3月にめぐった福島県(いわき編相双編)に続き、東日本大震災10周年となる2021年の6月10日から、前回の旅を終えたJR相馬駅より、大きな津波の被害を受けた海岸沿いを再びたどった。相馬市は福島県の北端に近く、すぐ宮城県に入る。今回はまず岩沼市まで北上した。

このエリアの津波被害と言えば、第一にJR常磐線の流出。新地―浜吉田間の線路を内陸部に移設した上で、2016年12月10日より運転を再開した。当日の模様は、筆者も「常磐線復旧は『移転後の街』を活性化するか」でルポしている。

海べりの足は公営バス

大規模工事が行われた鉄道が注目されがちだが、海べりの被災地では、バスが地域の貴重な公共交通機関である。

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一般の路線バス会社では補助金を受けたとしても採算上、とてもではないけれど運行が躊躇されるルートを自治体が責任を持って運行し、小型バスや時にはワゴン車を使ってこまめに回る、市町営バスだ。ただそのほとんどが、高齢者やごく限られた通勤・通学客が利用するにとどまっている。

JR常磐線の相馬駅(筆者撮影)

性格上、市町村営バスは、朝夕または朝昼夕程度の便しかない路線が大半。利用するにしても、早朝からの行動が必要だ。相馬からは5時38分発、始発列車の仙台行きで出発。右手に火力発電所を見つつ、5時47分着の新地で降りる。新地町は福島県浜通り地方最北端の自治体だ。広域的には、相馬あるいは原ノ町から北は仙台市の経済圏に入り、常磐線の下りで通勤する客は多い。

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