社会情勢が大変化「高輪ゲートウェイ駅」の未来 鉄道利用者減の逆風下で進む駅周辺の再開発

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2020年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅。画面左側地下にある泉岳寺駅と近接している(編集部撮影)
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新型コロナウイルス感染症の流行という逆風の下、2020年3月14日にJR山手線・京浜東北線の高輪ゲートウェイ駅が開業し1年が経過した。正式駅名が発表された際に物議をかもし、話題となったが、開業後も東京オリンピック・パラリンピックの延期、高輪築堤の発見といった経緯があり、計画段階からかなりの紆余曲折を経てきた。

現在はまだ“暫定開業”の状態

本来のスケジュール通りならば、この駅は田町―品川間に広がっていた車両基地跡地を再開発するプロジェクト「グローバルゲートウェイ品川」の玄関口として、周囲の高層ビル群とともに2024年に本開業する予定になっている。2020年の営業開始は、東京オリンピック・パラリンピックに合わせたもので、あくまで暫定だ。西側の駅前では今も盛んに建設工事が行われている。

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そのため、現時点での利用客数は多くない。報道によると、2021年2月の「乗降客数」は1日約9200人にとどまっている。ただ、これはある程度は想定内であり、さほど問題ではないだろう。コロナ禍による経済停滞とテレワークの普及による通勤客減少により、計画よりかなり減ったと伝えられているが、何せ駅前はまだ工事現場。住民もいなければ、商業施設もなく、通勤目的地すら存在しない状態である。

JR東日本は同社管内各駅の「乗車人員」しか発表していないが、高輪ゲートウェイ駅は約半数の5000人が1日に乗車しているとして、これは著名な駅で言えば、青森、那須塩原、大月などと同程度(いずれも2019年度の統計より)。参考までにだが、意外に健闘しているほうかもしれない。

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