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バス乗り場などの交通ターミナルではない、純粋な「広場」が駅前にある山手線の駅はそう多くない。どこも東京都心の超一等地だから、土地を最大限活用したいのはわかる。しかし、つねに人が流れ行き交うにぎわいこそ、都市の活力そのもの。名の知られた場所としては、渋谷駅前の「ハチ公広場」と、新橋駅西口の「SL広場」が双璧ではないかと思う。
SL広場が消える?
そのSL広場が、隣接する「ニュー新橋ビル」の部分とあわせて再開発され、高層ビルの敷地となると伝えられたのは2014年だ。特徴的な外観を持つニュー新橋ビルは、飲食店やマッサージ店、チケットショップなどが集まる雑居ビル。周辺の飲み屋街と合わせて“サラリーマンのオアシス”と呼ばれ、親しまれてきた。
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しかし、耐震診断により、震度6強〜7の地震で倒壊の怖れがあるとなって、建て替え、再開発計画が立てられたのだ。また同様に、東口側にある「新橋駅前ビル」の周辺も再開発が計画されている。こちらもビルの老朽化により浮上してきた。
地震に強い街作りという大義名分には、異を唱えない。耐震基準に満たない古いビルは、建て替えを促進すべきだろう。阪神・淡路大震災のとき、横倒しになったビルを直接、見ている筆者は強くそう思う。
ただ、SL広場を巻き込んでの再開発はいかがなものかと思う。都心部では貴重な空間、それこそ「オアシス」だ。広場があってこその、新橋駅前のにぎわいではないか。それに雑然とした雰囲気こそ、新橋が人をひき付ける理由であろう。
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