京急「ほぼ新型」車両、これまでと何が違うのか 窓の配置から「妻面」の仕上がりまで妥協せず
京浜急行電鉄が4月15日、5月にデビューを控えた新造車両を京急蒲田駅の2番線ホームで関係者に公開した。
「新1000形」と呼ぶ同社主力車両の「20次車」の位置づけで4両編成2本を新造した。同社は毎年新1000形を増備してきていて、少しずつ改良を加えてきているが、今年は例年とは違い新型の車両並みに形態が変わった。進行方向を向いたクロスシートと、側面の窓を背にしたロングシートの両方に転換できる座席に車内トイレの設置など、同社初の設備に加え、「展望席」の復活といった“京急らしさ”を前面に押し出した。
座席指定列車やイベントで活用
今回お披露目したのは新造した20次車2本のうち「1891-1号編成」。5月6日から朝の座席指定列車「モーニング・ウィング3号」は、従来のオールクロスシートの「2100形」8両に新造車両を連結して12両で運行する。座席指定時などにはクロスシート、平常時は乗り降りがしやすいロングシートと、柔軟に対応できるのが強みだ。貸し切りのイベント列車への活用も想定している。
座席幅は1席当たり460mmで2100形より10mm広げた。赤が基調のシート地は「抗菌・抗ウイルス」で「三浦半島の旅」をイメージしたという波をデザイン。ロングシートは従来より少ない6人掛けとなる。ドアと座席の間にはシートと共通のデザインで強化ガラス製の仕切りを設置した。
クロスシート時はドリンクホルダーと、コートなど上着を掛けられるフックが使用できる。全席に設置した電源コンセントは、自席の足元と前の座席の下のどちらも使える。肘掛け部分のレバーを持ち上げると座席を自分で対面にすることも可能で、グループでイベント列車に参加する場合には喜ばれそうだ。
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