京急「ほぼ新型」車両、これまでと何が違うのか 窓の配置から「妻面」の仕上がりまで妥協せず

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トイレは1編成にバリアフリー対応の洋式と男性用の2カ所を設置。とくに男性用は通勤用車両としてはめずらしい。乗客にとっては、長時間の乗車や「ビール電車」などのイベント参加時でも安心でき、京急としても車内で飲食物を提供する際に保健所への届け出上、従来のような簡易の手洗い場を設置する必要がない。

座席指定のモーニング・ウィング3号は駅によって乗車する号車が決まっている。新造車両に乗れるのは、三浦海岸と横須賀中央からの比較的乗車時間が長い利用者なので、座席の電源コンセントやトイレの設置で、これまでより快適な通勤となることが期待できる。

細長い「前面展望席」横の窓

2、3号車にはフリースペースを設置。ベビーカーだけでなく、羽田空港を利用する大きな荷物を持った乗客からは重宝されそうだ。各車両には3台の車内防犯カメラを付け、利用者の安全・安心にも配慮した。

側面の乗務員室と客室ドアの間に縦長の窓がある(記者撮影)

乗務員室(運転室)のすぐ後ろには、前方の景色を楽しめるように、これまでの新1000形ステンレス車にはなかったクロスシートの「前面展望席」を用意。さらにその側面に窓を設置した。だが、この窓は異様なほど縦長の形状をしている。

車体は総合車両製作所のステンレス車両ブランド「サスティナ」を京急で初めて採用した。新造車両20次車の塗装前の姿を想像するならば、同じサスティナで側構体が共通思想の都営浅草線5500形がイメージしやすい。

製造に携わった総合車両製作所国内営業部の川上清温さんは「縦長の窓は明かり採りや景色を見られるようにという京急さんオリジナルのこだわりをいただいた。運転室と客室の仕切りがあり、戸袋もあるので構造的にはこれが精一杯の大きさ。車体の強度的にも問題はない」と語る。

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