通勤電車の混雑、京急は「お家芸」で回避する 「オフピーク乗車」の裏に光るベテラン社員の技
都心の品川と横浜・三浦半島方面を結ぶ京浜急行電鉄。大手私鉄で最長となる12両編成の列車が本線を時速120kmで走り抜けている。その舞台裏では、信号やポイントを自動システムに頼らず、手作業で切り替えていることで知られている。
途中駅で人身事故などの運行トラブルが発生した場合にも、ベテラン社員が列車を臨機応変に運用する「お家芸」で遅延を最小限にとどめる。新型コロナウイルスの感染拡大で通勤電車の「密」の回避が求められるなか、混雑の低減にこのお家芸が生かされている。
増結・切り離しは日常風景
京急のお家芸が本領を発揮するのは、信号の切り替えに限らない。通勤・通学客の利用が多い金沢文庫駅(横浜市金沢区)では、毎朝、到着した8両編成の上り快特・特急に4両編成を増結。輸送力を1.5倍にして横浜・品川方面へ向かわせる。
増結した4両は品川駅の到着後に切り離し、残りの8両が相互直通運転先の都営浅草線に乗り入れていく。
途中の横浜駅などで上り列車を待っていると、「前4両は品川止まりです」と注意喚起のアナウンスが流れている。平日朝の金沢文庫駅での増結や、品川駅での切り離しの作業は京急ユーザーであれば見慣れた日常の光景だ。
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