稲田大臣が語る「4人の女性局長」の戦略

内閣人事局が行った最初の大仕事を聞く

しがらみを離れた人事を行う

――これまで財務省のプロパーで専有されてきた副財務官が、この度初めて経済産業省から登用されました。省庁の壁を取り払った人材登用も進められていますね。

稲田 私は国会で、「このポストはある省庁のものである」とか、「このポストにはこの省庁からしか迎えない」などという固定ポストはつくらないと約束しました。内閣人事局を設置したのも、適材適所の人材配置を行うと同時に、しがらみを離れて日本のために働く公務員を作るためなのです。

そもそも憲法15条で「すべて公務員は国民全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」としているのに、省益で動く官僚というのは許されるのでしょうか。

育てたいのは「闘う公務員」です。国益のために闘い、使命をまっとうする。そのためには霞が関全体を貫く人材育成も必要であり、国益の立場で発想できる幹部候補の育成もしっかりやります。

――そのために「戦後レジームからの脱却」が必要と。

稲田 それは第一次安倍内閣の頃、中川秀直自民党幹事長(当時)と渡辺喜美公務員制度改革担当大臣(同)が主張しておられましたね。「公務員の番人」とも言える人事院が作られたのは戦後間もなくの1948年で、まだ日本は独立していなかった頃にGHQによって置かれたわけです。そして、憲法上すべての賃金労働者に保障されている労働基本権について、国家公務員にはスト権など一定の制約を課す代わりに、その代償機能を人事院に担わせたわけですが、元々は組織管理の観点から内閣が持っていた「級別定数」の権限も人事院へ移ってしまったのです。

――日本が独立すれば、行政権を掌握する内閣が級別定数を取り戻していいはずだった、と。

稲田 そう。ところが、人事院は戦後、労働基本権の代償措置とか、公務員の中立・公正性の確保という本来の役割を超えて強大な権限を握ってしまったと。特に、級別定数=ポストの重さであり、当然給与という公務員の重要な勤務条件と密接にかかわるものであり、各省庁が人事院にお伺いを立てる権力の源泉ですから、その移管には強く反対してきたわけです。その対立が不幸にして頂点に達したのが、麻生政権下で改革を進めようとした甘利明公務員制度改革担当大臣(当時)とそれに抵抗した谷公士人事院総裁(同)による国会やマスコミも巻き込んだ論争だったと。

そうした経緯も見てきましたから、私も原恒雄前人事院総裁と膝を交えて議論をして、級別定数の権限は内閣人事局にきちんと移しましたが、勤務条件の観点からの人事院が述べるは尊重するということで、両者が有する機能に鑑み、しっかり役割分担をすることにしました。

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