「1aは何㎡?」算数苦手な子に今させたい復習術 不安を抱えたまま中学生になると苦労する

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中学校に行けば、個々の単元の問題を解いていくだけではなく、複雑な学習をしていくことになります。小学校6年間の算数の「俯瞰的な理解」を土台にしながら、苦手を克服し、「小学校の算数は完全にできるようになった!」と思える状態まで、もっていけるとよいでしょう。

市販のドリルや問題集であれば、1回で終わらせるのではなく、2回、3回と学習し、問題と答えを覚えてしまうほど繰り返しましょう。そうすれば、算数の知識が「単に覚えた」レベルから、「活用できる」レベルに変わっていくでしょう。

「ノイズ」が少ない問題集を活用する

「本当に大事なところをおさらいする」ときには、「ノイズ」が少ない問題集を選んだほうが、集中力や学習スピードが格段に変わります。

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「ノイズ」の少ない問題集とは、「ぜい肉をそぎ落とした形式(ドリル)」の問題集です。出題形式が統一されていたり、紙面のパターンが整えられていたりするといった点から選ぶとよいでしょう。

テストや試験の多くは、いろいろな出題形式が混ざって難易度が高められたりしています。もちろん、「入学試験である受験者の間で差をつける」といった際はそういったものが望ましいのかもしれません。

しかし、「大事な部分をモレなく押さえる」ときは、学習者にとってストレスなく、スムーズに学習できる問題集のほうが、学習効果は高まるものです。

こうして学んだ知識を活用すること、その力が思考力と言っていいでしょう。つまり、基礎力が完全な状態にまで高められてこそ、思考力は大きく花開くことになるわけです。ここまで述べたことを意識されながら学習され、単純な小学校のおさらいだけではなく、中学校の数学を見通した未来を切り開く土台となることを願っています。

隂山 英男 教育クリエイター、隂山ラボ代表

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かげやま ひでお / Hideo Kageyama

1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。兵庫県朝来町立(現・朝来市立)山口小学校教師時代から、反復学習や規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「隂山メソッド」を確立し、脚光を浴びる。2003年4月尾道市立土堂小学校校長に全国公募により就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やICT機器の活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。近年は、ネットなどを使った個別の小学生英語など、グローバル人材の育成に向けて提案や実践などに取り組んでいる。

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