そのコンピュータの能力が、今後遺憾なく発揮されそうなのが自動翻訳機です。例えば、東芝では英語、中国語、韓国語、日本語の間で同時翻訳するシステムを開発しています。そのシステムにおける翻訳の精度は約8割といわれていますが、あと10年もすれば、さらに高い精度を持つ翻訳機が登場し、会話のほとんどを自動翻訳できるようになっているでしょう。
また、米マイクロソフトでは、人間が話す内容を瞬時にコンピュータで処理し、ほかの言語に翻訳したうえで、その人の声で流す技術を開発しています。これを使えば、誰でも「何カ国語でも話せる」ようになる可能性があるわけです。
中途半端な英語よりも、その国の歴史や宗教の勉強を
こんな技術が普及すれば、もう語学の勉強に苦労することはありません。これらは、グローバルに展開する企業や人々にとって欠かせないものになると思います。文章を読む力は必要ですが、会話能力を身につけるために時間を費やす必要がなくなる可能性があるのです。
おカネをかけて英会話スクールや語学留学をする人がいますが、そう遠くない将来では、英語のために時間やお金をかける必要がなくなっていくのではないでしょうか。実は、英語をそれなりに習得しても、もともとネイティブでなければ、深い話や細かなニュアンスを伝えることは難しいのです。そのため、昔も今も、中途半端な英語の勉強をするよりも、その時間をいろいろな国の文化や価値観、特に歴史と宗教の勉強に充てたほうがよほど有意義です。
最後になりますが、7月4日に新刊『2025年の世界予測~歴史から読み解く日本人の未来』(ダイヤモンド社)が発売されます。興味のある方は、ぜひご覧いただければと思います。
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