「75歳定年制」で日本はどうなるのか?

超高齢化社会は、本当に暗いのか

日本の農業は可能に満ちている(つくば市の農業法人で、撮影:梅谷秀司)

前回のコラムでは、「日本は退職年齢を75歳に引き上げるべきである」とお話しました。そんな話を聞くと、日本の未来は暗いと考える人が多いのではないでしょうか。

農業の世界では、50代、60代はまだ「若造」

しかし企業の現場から見て、75歳が定年になると、年長者の持つ技術力を若い世代に引き継いでもらうことも容易になります。これは、日本の技術力の衰退を防ぐ手段にもなるわけです。技術力といっても、製造業に限ったことではなく、ほかの産業についてもいえることです。

特に日本の農業では、せっかく世界一品質の高い作物をつくっているのに、後継者不足に悩んでいます。それは、農業は儲からないと思われているのが理由です。しかし、以前の連載でも述べたように、技術革新によって生産性は飛躍的に向上し、農業は儲かる産業になりうるのです。そのことがわかれば、後継者も増えていくし、70代、80代の人たちに優秀な作物づくりのノウハウを学ぶこともできます。

現在、農業就業者の平均年齢は66歳です。これは、いまの定年退職年齢よりも高い水準です。70代、80代の人たちから見れば、50代、60代はまだまだ若造にすぎません。このように農業の世界を見ると、退職年齢は75歳に引き上げてもまったく問題はないでしょう。

例えば、高齢者の人たちは週2~3日くらいの勤務でかまいません。若い人とワークシェアリングするのではなく、高齢者2人で1人分の仕事をするように、高齢者同士で仕事を分け合うのです。週2~3日ほど会社に来て、若い人たちに技術指導をしてもらう。そうすれば、高齢者にとっては生きがいにもなるし、若い人たちの雇用を奪うこともありません。

次ページこれからは高齢者がどんどん仕事をする社会に
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