ビジネスマンにも売れている「占い本」の中身 知らないうちに「新しい時代」が訪れていた

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yujiさんは18歳でイタリアに渡り、デザインの大学院を卒業してプロダクトデザイナーとして活躍していた。学生時代「形態学」の授業を受けた時、形には理屈、理論があるのだということを知る。

「授業では、例えばこのボトルはなぜこの形でなければならないのか、というようなことを勉強するのですが、じゃあなぜ人間の手の指は5本で、長さが異なっているのか、なぜ手相は一ひとり人違うのか、ということが気になり始めたんです。

書店でキロマンシー(手相学)の本を見つけて、デザイン学校の友人たちの手相を片っ端から見ました。なんとなく『こんな感じらしいよ』とアドバイスすると、かなり当たっていたようで、それが人を観ることの始まりでした。デザインをしていたので形には敏感で、そのうち目や鼻の形も観相学で観るようになり、数字にも興味を持ち始めました。『誕生日にも意味があるに違いない』というところから、星の世界に入っていきました」

クライアントの間で「話題」に

その後、イタリアでの仕事に思うことがあり、デザイン事務所を辞めて日本に帰国する。日本でもデザインの仕事をしていたが、クライアントさんの誕生日を聞いてホロスコープを見てあげると「何でそんなに当たってるの?」と言われることが増え、「こっち(占い)を本業にしたら」と言われるようになったという。

yuji/星読み係、ヒーラー。毎日星読みを行い、星々からのメッセージをSNSにて発信。執筆、講演など幅広い分野で活躍中。著書に『星2.0』(光文社)、『yujiの星読み語り』(ワニブックス)など。ブログはこちら

「とはいえ、ずっとデザインの世界でキャリアも積んできて、それを捨てるのはどうなのだろう、という思いもありました。でも、僕のアドバイスによりV字回復をした人や、手詰まりだった仕事が動き出して感謝されるようになるとその場所へ行ってもいいのではないか、と思うようになって。

『あいつデザイン辞めて星占いしてるらしいよ』と言われても、結果が出るならそれが正しいのではと思うようになりました。そして、仕事を鑑定にシフトしたのですが、デザイナー時代の年収を超えるまでにそう時間はかかりませんでした」

yujiさんは毎日ホロスコープを見て、星からのメッセージを自身のツイッターやブログで発信している。

「ホロスコープは誕生日と生まれた時間と出生場所で見ますが、生まれてから死ぬまでの流れや人生に課せられた宿命が示されています。好相性な食べ物やパワースポット的な場所、もちろん相性のいい人も。僕は自分の鑑定を『星占い』とは言わず、『星読み』といいます」

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