39歳の早稲田大OBが「お寺コンサル」に見た活路

漫画の聖地の街でもユニークな寺院の取り組み

エルターナルの小久保CEO(写真:同社提供)

緊急事態宣言が延長され、コロナ禍の長期化に歯止めがかからない。閉塞的な状況が続くなか、ポストコロナに向けた新たな動きが、人々にとって身近で欠かせない存在である「寺」を舞台にして始まっている。

昨年12月、コロナで閑散「高田馬場」早稲田大生たちの底力というタイトルで、コロナ禍における高田馬場・早稲田の現状をレポートした。そのなかで、早稲田大学専用ファンドから3000万円の資金調達を受けた寺社仏閣コンサルティング事業などを手がける株式会社ELternal(エルターナル 東京・新宿区西早稲田)の存在に触れたが、今回取り上げる1人目の主人公は同社の小久保隆泰代表取締役社長CEO(39)である(以下は敬称略)。

早稲田大学大学院経営管理研究科出身の小久保が同社を立ち上げたのは2020年7月3日。創業メンバーは小久保のほかに取締役CFOの宇佐見彰太(同研究科出身)ら総勢5人というこぢんまりとしたものだった。

起業の原点は20年近く前

事業内容は寺社仏閣コンサルティング事業、地域創生事業、納骨堂事業となっている。現在の社員数は顧問を含め11人。現役の僧侶も含まれている。小久保自身、埼玉県熊谷市にある埼玉厄除け開運大師・龍泉寺の代表役員である。

コロナ禍、少子化、高齢化、地域の過疎化という社会状況のなかで、寺社仏閣と地域社会の関係性が希薄化し、檀家数、参拝者数減少による寺社の規模縮小、観光需要減少、地域財政悪化など、さまざまな課題が山積している。

エルターナルの社員たち。小久保CEO(中央)、宇佐見CFO(左)、社員の山﨑亮秀さん(右)(写真:筆者撮影)

エルターナルは、そうした社会課題の解決に向けて寺社や自治体と連携することで解決を目指していこうというベンチャー企業だ。

とはいえ、小久保は唐突に事業を始めたわけではない。起業の原点は20年近く前にさかのぼる。

「2003年、大学在学中に父親が急逝し、実家の寺(埼玉厄除け開運大師・龍泉寺=約1200年前の平安時代に創建)の代表役員に就任しました。当時は檀家の方たちに寄付をお願いすることで寺の修繕や運営を行っていましたが、実情は厳しく、父も教員との兼業でした。代表役員になってから檀家の方々の負担を減らしたいという思いが強くなり、檀家数、お墓数を増やし自立した寺にするための取り組みを始めました」(小久保)

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