39歳の早稲田大OBが「お寺コンサル」に見た活路 漫画の聖地の街でもユニークな寺院の取り組み

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所変わってマンガの聖地・東京豊島区椎名町。手塚治虫をはじめとする著名漫画家を輩出した「トキワ荘」があった街である。

西武池袋線・椎名町駅の真ん前で弘法大師の教えを伝え500年の歴史を刻む古刹寺院「金剛院」(東京・豊島区長崎)の野々部利弘住職(65=以下敬称略)が2人目の主人公だ。

マンガ地蔵(写真:筆者撮影)

金剛院はコロナ禍が広がるまで、寺を舞台に実に幅広い催しや事業を行ってきた。お坊さんのファッションショー、コンサート、子ども食堂、シニア食堂、フリーマーケット、がんカフェ、夜の児童館、親子保育、ヨガ、健康体操、デスカフェ、瞑想、写経・写仏、婚活、終活など、文字通り「ゆりかごから墓場まで」人々の面倒を見る存在といえそうだ。

マンガの聖地ということで境内には「マンガ地蔵」がある。マンガ地蔵を「なで仏」としてさすることで、「創造の力」を授かるとともに、この地を通じてクリエイティブな領域で活躍をする人々と結ばれ、「縁から円」につながって、自身の成功を達成するご利益があるという。

まんがコンテストを主催

金剛院では同院のマスコットキャラ・小坊主くんをテーマにした「トキワ荘 マンガ地蔵杯 4コマまんが大賞」というコンテストを主催し、集まった362作品から選ばれた29の受賞作品をHPで公開中だ。

金剛院の野々部住職(写真:筆者撮影)

また、自らの「死」を仮想体験するなかで、人生において、仕分けする時間と大切なことを考えるワークショップ「死の体験旅行」も開催。フランスのAFP通信が動画ニュースで配信したほど注目を浴びた。

このワークショップは、慈陽院なごみ庵の浦上哲也住職が作り上げたものだが、コロナ禍まで金剛院の蓮華堂でも開催されていた。

こうしたさまざまなイベントは現在、人が集まることができない状況なので開催を見送っているが、野々部は「コロナ禍で人々の価値観が変わっていく中で、今は新たな展開に向けての準備の時間」だという。

「寺には祈り、楽しみ、学び、癒しの4つのテーマがある」と野々部は言い、4つのテーマを寺の冊子で次のように表現している。

祈り=心をつなぐ 祈りとは魂の真摯な思いの表現
楽しみ=さまざまな人と人が出合い、つながる楽しさ
学び=真理(ことわり)の学び。世代を超えて互いに学びあう居場所づくり
癒し=助け合い支えあう こころに安らぎと安心を

野々部は毎年、寺の計画書を作成している。2021年の計画書には金剛院をハブとした今後の展開が記述されているが、その中にはコロナ禍での現状を踏まえたさまざまな象徴的なキーワードが網羅されている。

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