まず、1つ目の「段階性料金」について。現状のデータ量では月額980~1980円に収まる人が多いかもしれない。確かにほかの3大キャリアに比べれば優位性はあるし、スマホ2台持ちユーザーにも魅力的だろう。「契約しておいてもいいか」と考えるきっかけにはなりそうだ。後発で参入した楽天モバイルの最重要課題は、とにかく契約者数を増やすこと。入り口のハードルを下げることは絶対的に必要だ。
エントリーした利用者が1GBだ2GBだと節約に励んだとしても、先に目をやれば5G時代がすぐやってくる。そうなれば、さすがに「ずっと1GBしか使わない」というわけにもいかなくなるだろう。新プランの「1GBまで0円」は、5G時代に向けたエサまきだと思えば納得がゆく。
ついでに言えば、今回のプランには端末代は含まれない。2つ目の「店舗で受け付けOK」により、この先5G対応端末を買うなら店舗で現物を見てから買ってもいいかと考える客もいるだろう。消費者は、遅かれ早かれ「5Gになれば結局2980円払うんだろうな」と思っておけば、将来がっかりしないで済むのではないか。
さらに消費者を惑わせるのが…
さらに消費者を惑わせるのが「1年無料」だろう。なんといっても「タダ」ほど強いキーワードはない。人は損をすることが何より嫌いだが、「タダ」なら理屈上損することはないからだ。さらに、お金の選択で失敗するのを何より嫌う若者世代などにも「タダ」は効く。それをまき餌にして客を呼びよせ、エントリーさせるのが「入り口無料商法」だ。
それに加えて「先着〇名様に限り」というフレーズ。店頭のタイムセールや、TVショッピングの「放送後30分以内なら割引で」も同じ手法で、時間や人数を限定されることでつい判断が鈍る。
そこで「300万人まで1年無料! すでに220万人の枠が埋まりました!」と聞かされると焦ってくる。「とりあえずタダなら損はしないし、そろそろ枠も埋まりそうだし、楽天モバイルには店舗もあるし、ちょっとのぞいてみるか」と背中を押すには十分だ。
ちなみに、残る80万人程度とはどんな数だろうか。日本の都市人口で探したところ、最も近いのが静岡県浜松市。令和元年10月1日現在の総人口は80万2856人だ。ちなみに東京23区で80万人を超えるのは世田谷区(約92万人)のみ。続いて練馬区の約73万人、大田区の約72万人と続く(平成30年3月1日現在)。
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