楽天モバイルが新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を発表した。その内容がちょっと予想外で、業界周辺はざわついている。
データ使用無制限で2980円という大特価プランを掲げ、3大キャリアの追撃を始めたのが昨年4月。さらに9月には料金据え置きのままで5Gにも対応すると発表。「携帯の常識を覆す」という楽天の矜持を感じたものだ。
ところが、政府からの料金引き下げ要請を受けた形でNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが続々とほぼ同額の廉価ブランドを出す。第4のキャリアとして掲げた旗印「4Gも5Gも2980円」の牙城はあっけなく堀を埋められてしまった。このまま落城してしまうのか、それとも次なる隠し玉があるのか。
筆者を含め、外野はあれこれ予想を立てていた。料金の引き下げは不可避としても、収益を考えるとどのラインまで耐えられるのか。値下げ競争に沈んでいくより、楽天しかできないかつ自社メリットがある方法として、楽天ポイントにシフトするのが妥当ではないか。
たとえば料金に対し10~20%のポイント還元で実質値下げ、加えてSPU(楽天ポイントアッププログラム)も倍率アップ……あたりではと想像していたのだが、ふたを開けてみればポイントのポの字もなかった。
小細工なし、料金で真っ向勝負――それが、楽天の選んだ戦略だ。
月額料金「1GB0円」の出血大サービス?
4月からスタートする楽天モバイルの新プランについて“利用者目線”で整理しよう。筆者が注目したのは以下の3点だ。
特徴的なのは、使い放題の一律料金から、データ利用料ごとの段階料金にシフトした点だ。
・1GBを超え3GB以下は980円
・3GBを超え20GB以下は1980円
・20GBを超えた以降はデータ利用量上限なしで月額2980円
(※価格は税別。高速通信でデータ無制限は楽天回線エリアのみ。国内のパートナー回線エリアで月間5GBまで、超過後は通信速度が最大1Mbpsに制限される)
説明会資料によれば、日本におけるユーザーひと月当たりのデータ利用料は、2GBまでが49.5%、5GBまでが16.5%となっており、これらのライトユーザーが全体の66%を占めるという。
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